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三浦“ボンバー”不発で大差判定負け…進退は明言せず

[ 2017年7月17日 05:30 ]

WBCスーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦   ○王者ミゲル・ベルチェルト 判定3―0 同級1位・三浦隆司● ( 2017年7月15日    米ロサンゼルス )

ベルチェルトのパンチを浴びる三浦(右)
Photo By スポニチ

 “ボンバーレフト”が空転した。1年8カ月ぶりの王座奪回を狙った挑戦者の三浦隆司は、1回に左をこめかみに受けてダウン。足を使う王者ベルチェルトに武器の強打を打ち込めず、速くて細かいパンチを浴び続けて大差の0―3判定負けを喫した。日本人では81年の三原正(三迫、元WBAスーパーウエルター級王者)以来、36年ぶりとなる米国での王座獲得を逃し、進退については保留した。

 ベルチェルトが左をもらうたびに、激励の「メヒコ!」コールが起きた。メキシコ人選手を何度も沈め、地元のメキシコ系ファンも警戒する三浦の左。日本よりも知名度が高い米国で、その武器を研究されて封じられては勝つすべがなかった。

 初回のダウンは「本当にタイミング良くもらって、あれっていう感じ」。挽回しようと強烈なプレスをかけたが、足を使う王者にサウスポー対策のセオリーである右へ回り込まれ、打撃戦に持ち込めなかった。「足をあんなに使ったのは想定外。左が当たらない距離にいて当てづらかった」。バランスを崩すと細かい連打を浴び、終盤には左ボディーを利かせて後退させながら、返しの右が出ずじまい。「試合中に“空回りしている”と感じていた」と明かした。

 6月中旬。疲労をためたまま行ったスパーリングが不調で、帝拳ジムの本田明彦会長に「話にならない」と激怒された。練習を打ち切られ、本田会長にはその後1カ月もスパーを見てもらえなかったが、「思い切り打たせてほしい」と“ボンバーレフト”にこだわった。6月に帝拳を離れた前担当の葛西裕一トレーナーの教えで大切にしてきたのが、「自分の軸をブレさせないこと」。自分らしさを貫いて不調を脱し、日本人9人目の海外王座奪取を目指したが、過去4度防衛したベルトを取り戻せなかった。

 去就は「まだ何も考えられない」。だが、「今まではダウンを取ったり、見せ場をつくったりの負けだったけど、今回は完封された形。それでどう気持ちを持っていくか」と迷いを口にした。敵地の観客も魅了する強打者が岐路に立たされた。

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