村田に公平な戦いを WBO、WBCが次戦打診 本人は現役に含み
ボクシングのWBA世界ミドル級王座決定戦(20日、有明コロシアム)で不可解な判定負けを喫した村田諒太(31=帝拳)に対し、WBOやWBCから“ラブコール”が送られていることが22日、分かった。新王者アッサン・エンダム(33=フランス)相手に内容では勝っていた実力が認められたとみられる。判定が批判を浴びているWBAはダイレクトリマッチ(直接再戦)を指示する方針だが、村田陣営には選択肢の一つにすぎなくなってきた。
村田はこの日、都内の帝拳ジムへあいさつに訪れた。世界初挑戦は1―2判定負けも、エンダムからダウンを奪うなど実力を証明。「世界レベルの戦いで引けを取っていない。自信になった」と振り返った。今後については今月いっぱい休んでから本田明彦会長と話し合って決める。「ロンドン(五輪)の後は金メダルを獲ったし、もういいやという感じがあったが、今回はもういいやという感じではない」と現役続行へ含みを持たせた。
WBAはメンドサ会長が判定は誤りとの異例の声明を発表。ダイレクトリマッチを指示する方針だが、本田会長は不信感を抱いており「村田もエンダムとは決着がついた(勝った)と思っているのでは」と話した。一方で「WBOとWBCの会長から“村田の次の試合はウチでやってほしい”と言われた」ことも明かした。実力未知数とみられていた村田が有望株であることが分かり、WBOのバルカルセル会長とWBCのスレイマン会長が「不可解な判定が出るWBAよりもウチで世界王者に」と人材確保に動いたのもうなずける。村田が1位にランクするWBOミドル級はサンダース(英国)が王者。エンダムよりも前に村田が標的としていた選手で、7月の暫定王者クルツィゼ(ジョージア)との王座統一戦の勝者に村田が挑むことが考えられる。
また、世界戦決定後に村田をランキングから外したWBCはもともと帝拳ジムとの関係が深く、王者ゴロフキン(カザフスタン、WBAスーパー王者、IBF王者)は9月に元WBC王者アルバレス(メキシコ)とのミドル級頂上決戦を予定。ゴロフキンが勝てば階級アップで王座が空位になり決定戦のチャンスが出てくるほか、本田会長によるとアルバレス陣営からは「村田と対戦してもいい」との意向も伝えられているという。同会長は「あとは村田の気持ち次第。続けるというならサポートする。やりたいのなら(WBAの)再戦は当然、一つの選択肢として考える」と語った。
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