井上尚弥 10回KO勝ちも反省「それまでが全然ダメ」
プロボクシングWBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦 王者・井上尚弥 KO10回3分3秒 挑戦者ペッチバンボーン・ゴーキャットジム
(9月4日 神奈川・スカイアリーナ座間)
決着がついたのは終盤の10回だった。王者・井上尚弥(23=大橋)は連打で挑戦者のペッチバンボーンの動きを止めると、終了間際、右ストレートを顔面に叩き込み、試合を終わらせた。
「ほんと精進してやっていかないと。言い訳にならないこれが僕のきょうの実力。すみませんでした。最後は意地で出ましたけど(9回までの)それまでの過程が全然ダメ。こんなんじゃ、ビッグマッチなんて言ってられない」と反省の言葉が口をついた。
序盤から軽快に攻めながらも中盤以降、攻撃が左ジャブだけで単調になった。前戦で両拳を負傷しただけに、その影響があったのかもしれない。
それでも2戦ぶりのKO決着で3度目の防衛に成功した。視線の先には全階級を通じて最強と評される45戦無敗の3階級制覇王者ローマン・ゴンザレス(29=ニカラグア)がいる。大橋会長は、4階級制覇を懸けて井上尚と同じスーパーフライ級のWBC王者・クアドラス(メキシコ)に挑戦する10日のゴンザレスの試合を、井上尚とともにロサンゼルスに出向き、視察することを明かした。
「そこで戦う構想に入りたい。ファンの皆さん、楽しみにしていてください」と宣言した。
井上尚も「どんどん練習するのみです。自分も会長も全員で盛り上げて強くなっていけると思う」と最強の相手との戦いを見据え、気を引き締め直した。
◆井上 尚弥(いのうえ・なおや)1993年(平5)4月10日、神奈川県座間市生まれの23歳。6歳の時、アマボクサーだった父・真吾氏の指導で競技を始める。新磯高(現相模原青陵高)時代にインターハイや全日本選手権優勝など7冠。12年10月にプロデビューし13年8月に国内最短タイのプロ4戦目で日本ライトフライ級王座、同年12月に東洋太平洋同級王座獲得。14年4月に日本人最速(当時)の6戦目でWBC世界同級王者。同年12月にWBO世界スーパーフライ級王座を獲得し世界最速8戦目で2階級制覇。身長1メートル63.7、リーチ1メートル71.2の右ボクサーファイター。
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