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商社マン木村 「納期」守って王座守る!初防衛戦へ逆算調整だ

[ 2016年2月26日 05:30 ]

ミット打ちをする木村(左)

WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦 王者・木村悠―同級5位ガニガン・ロペス

(3月4日 島津アリーナ京都)
 初防衛戦に臨むWBC世界ライトフライ級王者・木村が25日、都内で練習を公開した。挑戦者ロペスはサウスポーだが、左との対戦は得意とあって、2ラウンドのスパーリングでは左利きの日本同級12位・大野兼資(帝拳)を圧倒。相手に応じた試合中の修正や試合日から逆算したスケジューリングなど、現役商社マンの持ち味も生かした戦い方で“仕事”を完遂する構えだ。

 左対策はお任せだ。木村はスパーでパンチをほとんどもらわず、鋭いワンツーを再三ヒット。得意の左ボディーを打つタイミングも絶妙だった。「サウスポーはレバー(右脇腹)が前に出ている。狙いどころなので、ボディーで崩して上につなげる展開に持っていきたい」と青写真を描いた。

 アマ時代からサウスポーとの対戦経験が豊富で「むしろ得意な部類」と木村。帝拳ジムの浜田剛史代表も「サウスポー相手だと左を当てにくい選手も多いが、木村は左をうまく使える」という。今回は世界ランカーらを相手に約100ラウンドのスパーを消化し、手応えも十分。「右より左の方が戦略が立てやすい。はじめから自分のペースに持っていくことを重視している」と話した。

 相手ペースの場合は商社マンの腕の見せどころだ。試合中の対応能力は木村の強みだが、勤務する電力関連商社・植松エンジニアリングの営業で磨かれたものだという。「会う人によって、どのパターンなら仕事がうまく回るのか。それはボクシングにも生きている。リング上は商談の場」。今回も最低3パターンの戦い方が可能で「ジャンケンじゃないけどグー・チョキ・パーを用意しておけば、どれか当てはまる」と計算している。

 綿密な調整も商社マンならではだ。「試合が決まったら逆算してスケジュールを組む。納期に合わせる感覚で体を調整する。今回は3月4日が納期ですね」。世界戦に備えて1カ月の休みをもらっているが、この日は2時間の練習で「何があってもうまくいくように調整できたかな」と仕上がりに納得の様子だった。

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