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尚弥 米進出へ“野望3段階”まずは12・29八重樫とW世界戦

[ 2015年10月21日 05:30 ]

フォトセッションでポーズをとる(左から)井上拓真、八重樫東、井上尚弥

 ボクシングの大橋ジムは20日、ダブル世界戦を12月29日に有明コロシアムで実施すると発表した。WBO世界スーパーフライ級王者の井上尚弥(22)は同級1位のワルリト・パレナス(32=フィリピン)と初防衛戦を行い、IBF世界ライトフライ級13位の八重樫東(32)は同級王者のハビエル・メンドーサ(24=メキシコ)に挑戦する。大橋秀行会長(50)は今回勝てば来年には米国進出することを明言した。

 昨年末に世界王座計27回防衛の“レジェンド”オマール・ナルバエス(アルゼンチン)を2回KOで破り、世界中を驚かせてから1年。ようやく復帰戦が決まった井上は「今は1%の不安と99%の楽しみがある」と偽らざる気持ちを明かした。

 ナルバエス戦の衝撃的な勝利の代償として右拳を負傷した。当初5月に予定していた試合をキャンセルし、治療に専念。「最初は右を全く使えなかったので左と下半身を強化してきた。右は9月からマックスで打てるようになった」。左手のみのスパーリングなどをこなしており、大橋会長は「1年前よりパワーアップしている」と太鼓判を押した。

 指名挑戦者のパレナスは7割近いKO率を誇る強打者だ。井上は「一発に気をつけたい」と警戒した。そして、この試合をクリアすれば、夢は大きく広がる。大橋会長は「井上に米国の試合出場の要請が来ている」と米国のプロモーターからのオファーの存在を明かした。軽量級最強と呼ばれるWBC世界フライ級王者のローマン・ゴンサレス(ニカラグア)が17日に米ニューヨークで3度目の防衛に成功。将来的にゴンサレスとの対決が期待されており、まずはゴンサレスと同じ米国での興行の参加を打診してきているという。

 大橋会長は「(ナルバエス戦の勝利で)井上は米国で有名になっている。来年は向こうで試合をしたい」と話し、井上は「呼ばれるのなら行きたい。米国で戦う価値はもの凄くある」とオファーに心躍らせた。米国進出をよりスムーズに実現させるためにも、問われるのは今回の試合の中身。「昨年ぐらいのインパクトを残したい」。その先の夢の舞台を見据えて、12・29のリングに上がる。

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