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V9山中、次なる野望は…海外で最強証明「統一戦ロード」

[ 2015年9月24日 05:30 ]

防衛戦から一夜明け、笑顔を見せながらクラッカーを放つ山中

 ボクシングのWBC世界バンタム級王者・山中慎介(32=帝拳)が9度目の防衛成功から一夜明けた23日、都内で会見し、あらためて次戦での海外ビッグマッチを熱望した。陣営はWBA世界同級スーパー王者ファンカルロス・パヤノ(31=ドミニカ共和国)を筆頭に交渉を開始するもよう。今後は他団体との統一戦ロードを突き進み、バンタム級最強を世界に証明していく。

 実力が拮抗(きっこう)した猛者との戦いこそ、真の王者になる近道だ。WBA王座を12度防衛した最強挑戦者モレノ(パナマ)を2―1の判定で下した戦いから一夜明け、山中は傷一つない顔で会見に出席。勝利の余韻に浸ることもなく「統一戦を海外でやりたい。相手はモレノに勝ったスーパー王者。リスクがあるけど、そういった相手と大きい舞台でやりたい」と野望を口にした。

 標的はWBAバンタム級スーパー王者パヤノ。14年9月にモレノに挑み負傷判定で王座獲得したドミニカ共和国出身のサウスポーだ。頭から突っ込むラフなファイトと手数で、モレノのテクニックを封じた。実現すれば激戦必至だが、王者は「まだ進化できる」と次こそ“神の左”でKOを狙う。陣営は交渉に乗り出す予定で、ラスベガスを第一候補に舞台を選定する。

 それだけではない。帝拳ジム本田明彦会長はIBF王者カバジェロ(米国)の名を挙げ「(相手陣営から)2回ぐらい防衛したらいいと言われている」とIBF王者との統一戦の構想も披露した。カバジェロの初防衛戦には山中も出向く予定で、WBCスーパーフェザー級王者・三浦隆司の防衛戦と同じ興行(11月21日、ラスベガス)で実施される。山中の次戦は来年2、3月。互いに勝ち進めば来秋の激突となる。春と秋、2戦連続の統一戦。サバイバルマッチを制して実現にこぎつける。

 モチベーションはまだある。本田会長は「10回防衛したら、あるかも」とWBCスーパーバンタム級王者・西岡利晃がWBO同級王者ノニト・ドネア(フィリピン)と対戦した際に用意されたWBCダイヤモンド王座が近い将来、山中の戦いに懸けられる見通しだ。

 薄氷を踏んだ難敵モレノとの決戦ではあったが、生きて帰った男には無限の可能性が残された。

 ≪モレノ戦VTR≫8回の公開採点でジャッジ2人がドロー、1人がモレノを支持。9回にも山中はカウンターを浴びてピンチとなったが、10回に左を当てて流れを変え、11回に逆転。山中は判定2―1で9度目の防衛に成功。

 ▼ファンカルロス・パヤノ 1984年4月12日、ドミニカ共和国生まれの31歳。04年アテネ、08年北京五輪出場。14年9月にモレノからWBAバンタム級スーパー王座を獲得。今年8月に初防衛。通算17勝8KO無敗。1メートル65左構え。

 ▼ランディ・カバジェロ 1990年9月27日、米国生まれの24歳。14年4月に日本で大場浩平を8回TKOで下しIBF世界バンタム級王座の指名挑戦権を獲得。14年10月に決定戦で王座獲得。通算22勝13KO無敗。1メートル68右構え。

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