大毅―ゲレロ戦 大差判定なぜ?採点基準が大きく影響
プロボクシング IBF世界スーパーフライ級王座決定戦12回戦 亀田大毅 判定 ロドリゴ・ゲレロ
(9月3日 高松・サンメッセ香川)
判定で予想外の大差がついたのは、世界的に主流となっている「テンポイント・マスト・システム」によるところが大きい。
同システムは本来、各ラウンドで一方を必ず10点と採点する方式をいう。双方がダウンしても9―8にはしないという意味だが、近年は小差でも各ラウンドでなるべく10―9と優劣をつけることも求められている。
ラウンドごとの勝敗を明確にすることで採点合計の曖昧さをなくすこと、それによって選手の積極性を引き出すことが目的だが、ラウンドごとの勝敗の足し算でなく、試合全体のイメージで勝敗を見る観客とは、違いが出ることが多くなった。
小差のラウンドでは、ジャッジの好みが反映される。採点基準は(1)有効打(2)積極性(3)防御(4)試合の支配の4項目。ジャッジによっては1発のストレートより3発のジャブを有効打と評価したり、(2)より(3)を重視するケースがある。
有効打が少なかったこの試合はゲレロは(2)、大毅は(3)で優位だった。前進と手数のゲレロ、防御とカウンターの大毅。どちらが(4)の評価を得たのか。3人の採点が12回中4回も食い違ったのだから、ジャッジ泣かせの試合なのは間違いない。
▽大毅―ゲレロVTR 大毅が相手の圧力に押し込まれながらも効果的にパンチを当てて判定勝ちした。1回から左ジャブで慎重に距離を取り、懐に入らせなかった。巧みに左右の構えを切り替えるゲレロに的を絞り切れなかったが、終盤に猛攻を仕掛け、手数で勝った。ゲレロは積極的に前へ出て多彩なパンチを繰り出したが、有効打に欠けた。
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