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赤井総監督 初陣勝った!近大ボクシング部再スタート

[ 2013年5月13日 06:00 ]

ライト級に出場した城後響選手(左)にアドバイスを送る赤井英和総監督

 不祥事による廃部から昨年10月に復部した近大ボクシング部は12日、大阪府吹田市で関西学生リーグに2選手が出場、本格的な再スタートを切った。かつて同リーグの1部を36連覇した名門だが3部からの復帰。復部後、初めてセコンドに就いた同部OBで総監督のタレント赤井英和(53)は、主将の城後響(19)と入部第1号の中辻大地(19)の奮闘を見守り、「この2人が扉を開いて進んできてくれた」と称えた。

 4年ぶりに表舞台へ帰ってきた。試合会場にはテレビカメラ8台を含むマスコミ12社が集結するなど、注目度の高さをうかがわせた。

 復部直後に入部した男子第1号の2回生中辻がフライ級で、同じく2回生で主将の城後はライト級でトーナメント戦に出場した。中辻は2回にスタンディングダウンを奪ったものの、終盤猛攻に遭い判定で敗退。「こんなに頑張ったのは初めてで、本当に悔しい」と涙。城後は「中辻の分までやり返したろうと思っていた」と的確なワンツーなどで1回RSC(レフェリー・ストップ・コンテスト)で勝利した。

 総監督就任後、初めてセコンドに就いた赤井は、「近大の後輩は弟、肉親やから。力いっぱいファイトしている姿を見て、総監督をやらせていただいて良かった」と感慨深げ。悔し泣きの中辻には、「デビュー戦は1回しかないけど、この悔しい気持ちがおまえの一生の宝物になる」と声を掛けた。

 同部は1943年創部。前身の近畿学生リーグを97年まで36連覇、大学日本一に11度輝いた名門だが、09年に部員2人が起こした強盗致傷事件で廃部に。赤井らOBが4万3000人分の署名を集めて昨秋、復部した。4月以降、赤井らが東大阪市の同大で新入生を勧誘した努力が実り1回生が6人加入。現在女子1人を含む計12人が練習に励んでいる。

 再興を誓う赤井は「(部員は全員)ボクシングを始めたばかりだが、とにかく真面目」と強調。メキシコ五輪銅メダリストの森岡栄治氏らを輩出したエリート集団の面影はないが、「国体、五輪を目指せる選手が出てくると確信している。先の話ですが、取られたもんは取り返す」と大学王座の奪回へ意欲を見せていた。

 【これまでの経緯】

 ▼09年6月17日 東大阪市の路上で通行人に因縁をつけて暴行、現金を奪ったとして部員2人を強盗容疑で逮捕。

 ▼同18日 近大が同部の廃部を発表。

 ▼10年7月22日 ボクシング部OB会がスポニチプラザ大阪で意見交換会。赤井のほか、名城信男、石田順裕の元世界王者を含む約30人が出席。

 ▼同27日 近大が赤井の総監督就任と復部を発表。

 ▼13年2月17日 関西学生ボクシングリーグに出場することがリーグ運営委員会で正式決定。

 ▼3月7日 赤井が総監督就任後、初めて同部で本格的に指導。

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2013年5月13日のニュース