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宮崎 どや顔初防衛!「僕、格好良かったですかー?」

[ 2013年5月9日 06:00 ]

王座を防衛し、観客にガッツポーズする宮崎

WBA世界ミニマム級タイトルマッチ ○王者・宮崎亮 5回TKO カルロス・ベラルデ●

(5月8日 大阪・ボディメーカーコロシアム)
 ダブル世界戦(スポニチ後援)が行われ、WBAミニマム級は王者の宮崎亮が挑戦者のカルロス・ベラルデを5回2分22秒、強烈な左フック1発で沈め、TKOで初防衛を果たした。

 リング上からヒーローが観衆に語りかけた。「皆さん、僕、格好良かったですかー?」。左一発のKO勝ち。反応は、決まっている。割れんばかりの大歓声を、宮崎はどや顔で聞き入った。

 序盤は負けん気の強さが悪い方に出た。「自己チューの部分が出た」と、打ち合いを好むベラルデにお付き合い。「足を使え」というセコンドの指示を無視して、接近戦を挑み、4回までの採点は全くの互角だった。

 本来のスタイルを取り戻したのは5回。ノーガードで相手を挑発しながら距離を取ると、左がよく入った。リズムができた2分22秒。右フックからの返しの左フックがガラ空きの顔面を捉えた。挑戦者は後ろ向きに倒れ、レフェリーストップ。「勇気、感動、KO」をテーマに臨んだ初防衛戦。前夜、ベルトを抱いて寝たという王者は「KOの約束を果たせた。獲るより難しいと言われる初防衛戦だけど、簡単でしたね」と、サラリと言ってのけた。

 「リアルドンキーコング」の愛称を持つ野性味あふれる24歳の場合、敵は己にある。筋肉質ゆえに減量苦が付いて回る。3月20日の練習で左まぶたを切り、4針縫うアクシデントがあった。4月上旬に抜糸するまでの約2週間、体重を落とすのに効果的なスパーリングができなかった。大好きなブラックバス釣りを封印して初防衛戦に全精力をつぎ込んだが、思い描いたような調整はできなかった。

 それでも、この苦難をはね返したことで、次から減量が和らぐはずだ。ミニマム級は今回で卒業予定。この日は「今は正直、ノープラン」と語るにとどめたが、青写真はできている。盟友・一翔に続く2階級制覇へ突き進む。

 【宮崎―ベラルデ戦VTR】宮崎が打ち合いを制し、TKO勝ちした。ベラルデの左フックやボディー攻撃にてこずり、2回には左まぶたを浅く切ったが、手数を出して主導権は渡さなかった。5回、カウンターの強烈な左フックで挑戦者をキャンバスに沈めると、レフェリーがすぐさま試合を止めた。ベラルデは積極的に打ち合ったが、有効打は少なかった。

 ◆宮崎 亮(みやざき・りょう)1988年(昭63)8月20日、大阪府堺市出身の24歳。中学3年で競技を始め、興国高で井岡一翔と同級生。2年時にフライ級でインターハイ優勝。06年12月デビュー。09年10月に日本ライトフライ級王座獲得し、防衛1回で返上。10年6月に東洋太平洋同級王座を獲得し、防衛4回。12年12月にポンサワン(タイ)を12回判定で下し、初挑戦でWBA世界ミニマム級王座を獲得。1メートル55と小柄ながら筋肉質でパンチ力のある右ボクサーファイター。戦績は19勝(11KO)3分け。アマ戦績は30勝(15KO・RSC)4敗。

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