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村田 国体予選出場表明も…凱旋試合は“波乱”必至

[ 2012年8月16日 06:00 ]

メダルを手におどける清水(左)と村田

 ロンドン五輪ボクシング男子で金メダルを獲得したミドル級の村田諒太(26=東洋大職)と、銅メダルのバンタム級の清水聡(26=自衛隊)が15日、都内で帰国会見を行った。村田は24~26日に和歌山市で行われる国体近畿ブロック予選に出場すると明言。帰国10日での異例のスピード凱旋試合となるが、和歌山県は対応に追われることになりそうだ。

 男・村田に欠場の選択肢はなかった。

 「ずっと京都代表としてやってきた。国体予選も出ますよ」

 11日に決勝を戦い、14日にロンドンから帰国したばかり。わずか10日での凱旋試合となるが、南京都高時代から「お世話になってきた」という京都への恩は、金メダリストになっても忘れない。04年国体本戦で負けて以来、国内での黒星はないだけに「結構、プレッシャーはありますね」と話したが「減量はないし、少しずつ調整していきたい」と意欲を話した。

 帰国して初めて国内の雰囲気を知った。前夜は都内のホテルに泊まったが「食事をしようと外に出たら、握手を求められたりとかして、正直、戸惑った。外に出るのも大変だと思った」と言う。それでも、国体予選に出場するのは「アマチュアボクシングの普及につながれば」という思いもあるからだ。

 「今まで光が当たらなかったのはメダルがなかったから。少しでも力になれるなら」と話す。清水とともに子供ボクシング教室に顔を出す計画も進めており、メダリストの役割は早くも自覚している。「皆さん、見に来てください」と呼びかけたが、受け入れる和歌山県は寝耳に水だ。

 和歌山市にある和歌山県立体育館を管理する和歌山県関係者は、スポニチ本紙の取材を受けて「初めて知りました。対応はこれから考えることになる」と話す。会場は補助館と呼ばれるサブアリーナで、観客席はなく、椅子を置いても70席程度。会場変更は難しいという。

 村田も「ご迷惑をお掛けすると思いますが」と恐縮するが、それも「応援に感謝したい」という男気のなせることだ。ロンドン五輪金メダリスト最速の凱旋試合で、まずは和歌山が盛り上がりそうだ。

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2012年8月16日のニュース