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スーパー王者へ!井岡“こだわり”のKO宣言!

[ 2012年6月19日 06:00 ]

調印式を終えてチャンピオンベルトを手に拳を握る井岡(左)と八重樫

プロボクシング WBC・WBA世界ミニマム級王座統一戦 WBC王者・井岡一翔 VS WBA王者・八重樫東

(6月20日 ボディメーカーコロシアム)
 日本初となる団体統一戦の調印式とルールミーティングが18日、大阪市内で行われ、WBA王者の八重樫東(29=大橋)がKOにこだわらなかったのに対し、WBC王者の井岡一翔(23=井岡)は高らかにKO宣言した。WBA側の立会人により、勝者はスーパー王者に昇格することが判明。井岡は日本初のWBAスーパーベルトを手土産にミニマム級を卒業し、2階級制覇に乗り出す構えだ。

 短く刈り込んだ“勝負ヘア”で調印式に臨んだ井岡は高ぶる様子もなく、普段の雰囲気のままサラリとKO宣言した。

 「自分のボクシングを組み立ててやる。白黒はっきりつけるにはKOも必要。狙ってます」

 一般に軽い階級ほどKOは難しいと言われる。だが、若きエリート王者は1つ上のライトフライ級と合わせてプロ9戦で6KO。昨年大みそかの2度目の防衛戦は1回98秒で終わらせるなど驚異のパフォーマンスを見せてきただけに、誰の目にも明らかな形で日本初の統一王者になることを誓った。

 日本ボクシング史に名を刻む統一王者には、もう一つ栄誉が与えられる。調印式に立ち会ったWBAスーパーバイザーのアラン・キム氏(韓国)が統一戦の勝者はスーパー王者に認定することを明言。同王者は正規王者の上に位置づけられ、専用のベルトも存在する。5月に木村章司(34=花形)がフェザー級で防衛15回を誇るスーパー王者のクリス・ジョン(インドネシア)に挑んだが、大差の判定で敗れている。

 統一王者にスーパー王者、ともに日本初の栄誉を得るチャンス。「うれしい。結果を残せば、いろいろついてくるということ」。新たなモチベーションを得た井岡は試合2日前のこの日も所属ジムで約2時間、汗を流した。練習後の計量ではリミットを400グラム下回る47・2キロと減量は順調。最後まで絶食せずに体を動かしながら最高のコンディションをつくることに努めた。

 日本史上最速7戦目での世界王座獲得に加え、さらに栄誉を手にすれば、現階級に思い残すことはない。王座獲得時に「4階級を狙う」と公言していた通り、複数階級制覇に乗り出す。

 ◇スーパー王座 WBA限定のタイトルで正規王座の上に位置づけられる。他のメジャー団体との王座を統一した場合にスーパー王者に昇格する。その場合は正規王座は空位となる。明確な基準はないが、王座統一に限らず昇格される場合もある。最近では世界5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(米国)がスーパー王者ミゲール・コット(メキシコ)を破り、スーパー王者となった。現在は6階級でスーパー王者が存在する。

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