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大毅 判定負け…兄弟に結膜炎うつした責任感じ打ち合いも

[ 2011年12月8日 06:00 ]

テーパリット・ゴーキャットジムに判定負けしガックリの亀田大毅

「亀田祭り」WBAスーパーフライ級タイトルマッチ 亀田大毅(22=亀田)―テーパリット・ゴーキャットジム(23=タイ)

(12月7日 大阪府立体育会館)
 亀田大毅の両目は大きく腫れ上がり、顔面は鼻血で赤く染まった。9~2点差と評価は割れたが、判定は0―3。「あんな感じじゃないすか。実力じゃないかな」。返上したWBAフライ級王座に続く2階級制覇に届かず、淡々と振り返った。

  2回から激しい打ち合いに出た。「気持ち出して、挑戦者らしく根性出していこうと決めてたから」。リスクを承知で相手の射程内に入った。左ボディーを打てば右フックが返ってくる。右アッパーで鼻血が流れた。だが、前進し続けた。

 自分のためばかりでなく、兄弟のために負けられなかった。11月中旬、結膜炎で両目が真っ赤になり約10日間、かゆみが続いた。兄弟との接触をできる限り避けたはずだったが、治りかけた11月下旬、興毅、和毅が相次いで結膜炎を発症した。

 「とんでもないことをしてしまった」。人知れず涙するほど、自分を責めた。前日計量でサングラスをした興毅と和毅の目はまだ真っ赤に腫れていた。その兄も弟も前座でKO勝ちした。「家族に申し訳ない」との言葉は、ただの敗戦以上の重い意味を持っていた。

 再挑戦については「まだ終わったばかり」と明言は避けた。だが、最後まで恐れずに打ち合った試合を「2戦前やったら足を使って(逃げて)いた」と振り返った。防御の甘さ、コンビネーションの少なさ。課題はあるが「男らしく負けは認める」と話した大毅の顔には、かすかな達成感もあった。

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