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石井、桂治に挑戦状「戦いたい。彼に度胸あるなら」

[ 2011年5月2日 06:00 ]

米国初柔道を金メダルで終え記者の質問に答える石井慧 (撮影・青木芳治通信員)

 北京五輪柔道100キロ超級金メダリストでプロ格闘家の石井慧(24=アイダッシュ)は30日、米フロリダ州オーランドのオレンジカウンティコンベンションセンターで行われた柔道の全米体重別選手権無差別級に出場。約2年8カ月ぶりの復帰戦を優勝で飾り、16年リオデジャネイロ五輪出場へ向けて一歩を踏み出した。試合後には、全日本選手権覇者の鈴木桂治(30=国士舘大講師)に挑戦状を叩き付けるなど“石井節”をさく裂させた。

 鮮やかな内股が決まった瞬間、石井は両手でガッツポーズをつくった。決勝のストロメキ戦はわずか9秒で片をつけた。初出場の全米体重別選手権。初戦は不戦勝。2回戦で対戦した100キロ級世界ランク27位のバシュクラットが最強の相手でレベルは高くないとはいえ米国3選手を99秒で仕留め頂点に立った。圧倒的な強さを見せつけた。

 北京五輪以来約2年8カ月ぶりの復帰戦を優勝で飾った石井はビッグマウスをさく裂させた。「米国王者のメダルをかけて全日本で優勝した鈴木桂治選手と戦いたい。彼に度胸があるなら」と国士舘大の先輩である鈴木に挑戦状を叩き付けた。

 日本ではプロ転向後に柔道に復帰する場合、最後にプロの試合に出場してから3年間は選手登録できない規定がある。昨年大みそかのDynamite!!のリングに上がった石井は13年いっぱいは国内の大会に出場できない。プロの出場を認めている海外の大会なら問題ないため、石井は「格闘技の試合がなければ出たい」とオープン参加が可能な全米柔道選手権(7月3日、フロリダ州マイアミ)出場にも意欲を見せている。とはいえ鈴木との対戦が実現する可能性は低い。それでも挑発的な言葉を吐いたのは柔道で再びトップレベルの選手と戦えるという手応えをつかんだ証拠だ。

 今後もプロ格闘家との両立を続けるが、石井は「インパクトはあったと思う。自分は米国に住んでいるし“USA”の声援は非常にありがたかった」と話し、米国代表として16年リオデジャネイロ五輪を目指す決意をにじませた。米国での市民権、永住権取得の問題もあり、今後は不透明。それでも再び世界の頂点へ向けて、好スタートを切ったことは間違いない。

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