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ダウン寸前…減量苦の大毅、勝っても王座返上

[ 2010年12月18日 06:00 ]

渋い表情で取材をうける亀田大毅

 亀田祭り(26日・さいたまスーパーアリーナ)で2度目の防衛戦に臨むWBA世界フライ級王者の亀田大毅(21)が、試合を前にして早くもダウン寸前に追い込まれた。17日、東京都葛飾区の亀田ジムで練習を公開する予定だったが、減量苦を理由に急きょキャンセル。メディア対応には応じたものの、オルティーヌ戦を最後に王座を返上し階級を上げることを明言するなど本番に向け不安を残した。

 ほおはやつれ、口の渇きで声はかすれていた。大毅はジムに姿を見せるとリングのロープに寄りかかるようにして座り込んだ。「ピンチやな。今回が一番きついな。寒いから普段の練習でも汗が出んから水分も取られへんよ」。関係者によると、ミット打ちなど軽めのメニューを行う予定だったが、本人の希望で急きょキャンセルに。写真撮影用に押し相撲を“演じた”だけで切り上げた。
 普段の体重は60キロを超えており、フライ級のリミットの50・8キロまでは約12キロの減量を強いられる。さらに冬で汗が出にくいため、通常の2倍の期間にあたる試合2週間前の12日から減量を開始した。食事は1日1食で絶食の日もある。水分も十分ではなく寝床から体を起こしただけでめまいがすることもあるという。「いつもは試合1週間前で58キロが目安やけど、なかなか落ちんから55キロぐらいまで持っていきたい」とけなげに19日の時点の目標体重を掲げてみせたが、過酷な日々が待ち受ける。
 やる気に追いつかない肉体。「これが(フライ級は)最後やから。やってられへん」とオルティーヌ戦後の王座返上を明言したが、王者の誇りは消えていないようで「最後はKOしたいな」とつぶやいた。フライ級での世界戦は過去4戦すべてが判定決着。これまでも減量苦を抱えながら「王者である以上。防衛はしたい」と自ら望んだ防衛ロードでもある。いばらの道に迷い込んだ王者が正念場を迎えた。

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2010年12月18日のニュース