×

吉田 6月に柔道界復帰!実業団を指導へ

[ 2010年4月9日 06:00 ]

26日の引退試合を前に、先輩の古賀稔彦氏(右)と対談した吉田秀彦

 25日の「吉田秀彦引退興行 ASTRA」(日本武道館)を最後に引退する吉田秀彦(40=吉田道場)が、6月5、6日に東京武道館で行われる全日本実業団体対抗で事実上の柔道界復帰を果たすことが8日、明らかになった。吉田は総合格闘技引退後1年間は柔道界に復帰できないが、柔道部を創部した実業団の「パーク24」から依頼されて指導を受諾。五輪選手の育成へ向けて大きな一歩を踏み出す。

【吉田秀彦引退興行・対戦カード


 24時間営業の貸し駐車場「タイムズ」の運営で知られる「パーク24株式会社」の柔道部は、3月に全日本実業柔道連盟への登録を完了した。同連盟によると登録人数は同社社員の13人。大学で実績のある選手などはいないが、6月の全日本実業団体対抗に最下部の3部から出場できるという。

 関係者によると、同社の西川光一社長と吉田は親交があり、その縁で柔道部創部の際に指導を依頼された。吉田は全日本柔道連盟の規定で引退後1年間は登録ができないため、柔道部の肩書はないが、事実上の監督として指導。1年後には監督として登録し、選手としても活動する方向だ。

 「格闘技は職業」と公言する吉田にとっては、五輪選手育成の夢の大きな足がかりになる。02年4月の引退後から柔道人口減少に歯止めをかけるため、「吉田道場」を創設して小学生の指導をしてきた。総合格闘技転向後もリングに柔道着で上がり、柔道家であることをアピールした。柔道界復帰と五輪選手育成を見据えてのことだった。

 かつてはプロ転向=永久追放を意味した柔道界だが、吉田の熱意とともに規定を改正。転向後も復帰の道が開き、現在では多くの柔道家が格闘界に転向している。そのパイオニアの役割を担ってきた吉田は、同じ柔道家の後輩、中村和裕(31=吉田道場)を相手に引退試合を行う。会場は02年に柔道の引退試合を戦った日本武道館。柔道の聖地で格闘家のバトンを渡し、自らは柔道界復帰への一歩を踏み出す。

続きを表示

2010年4月9日のニュース