バスケ女子 3大会連続の五輪切符も高さの不安を露呈

[ 2024年2月12日 01:40 ]

バスケットボール女子パリ五輪世界最終予選   日本86ー82カナダ ( 2024年2月11日    ハンガリー・ショプロン )

第3クオーター、3点シュートを決めた山本(23)と喜ぶ恩塚監督(右)。左は馬瓜エ=ショプロン(共同)
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 バスケットボール女子のパリ五輪世界最終予選が11日、ハンガリー・ショプロンで行われ、日本(世界ランキング9位)がカナダ(世界5位)に86―82で競り勝ち、3大会連続の五輪出場を決めた。

 初戦でスペイン(同4位)に快勝したが、第2戦でハンガリー(同19位)に敗戦。4チーム中3位以内がパリ切符を手にするリーグ戦の最終戦を制し、2位以内を確定させた。FIBA(国際バスケットボール連盟)公式サイトで“死の組”と紹介された厳しい組を突破。銀メダルを獲得した21年東京五輪に続く、2大会連続の表彰台への挑戦権を得た一方で、課題も浮き彫りになった。

 チームコンセプトは“走り勝つシューター軍団”。恩塚亨監督(44)は「速さ、しつこさ、チームワーク。この点で明らかに世界に優位に立てる」と登録12人の中に身長1メートル60台のポイントガード(PG)4人を選出した。センター登録は高田真希(34=デンソー)1人だけの異例のメンバー構成。インサイドで持ち味を発揮できる渡嘉敷来夢(32=ENEOS)、オコエ桃仁花(24=ジーロン)らは招集されなかった。

 平均身長1メートル74・4はスペイン、ハンガリーより約9センチ、カナダより約8センチも低い。第1戦のスペイン戦は戦術がはまったが、相手に研究された第2戦以降はゴール下を徹底的に突かれた。リバウンド数はハンガリー戦が23対45(オフェンスリバウンド5対15)、カナダ戦が23対45(同5対17)と完敗。シュートを一度外した後の“セカンドチャンス”の得点はハンガリー戦が6対19、カナダ戦が6対17と大差をつけられた。

 3点シュートの試投数はスペイン戦は40本(成功率37・5%)と量産。試合を重ねるごとに警戒され、ハンガリー戦が28本(同32・1%)、カナダ戦が20本(同35%)と伸びなかった。速攻からの得点もハンガリー戦、カナダ戦は2得点に抑えられた。カナダ戦は終盤に相手のミスに助けられた部分もある。

 体格で劣る日本が世界で勝つためには、スピードと外からのシュートを軸にする戦術は不可欠。メンバー構成を含めてブレる必要は全くないが、金メダルを目標に掲げるパリ五輪までにリバウンドに対して全員で飛び込む姿勢など“高さ対策”をもう一度見直すことが求められる。

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