早田ひな連覇 東京五輪の悔しさ胸に…パリ五輪金へ貫禄の3度目頂点、15歳の張本美和にストレート勝ち

[ 2024年1月29日 04:50 ]

女子シングルスで連覇を達成した早田ひな(手前)(撮影・小海途 良幹)
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 男女シングルス決勝が行われ、女子は早田ひな(23=日本生命)が4―0で張本美和(15=木下アカデミー)を下し、2大会連続3度目の優勝を果たした。張本美は同種目の史上最年少優勝を逃した。2年連続同カードとなった男子は、張本智和(20=智和企画)が3連覇を狙った戸上隼輔(明大)に4―3と逆転勝ちを収め、6大会ぶり2度目となる頂点に立った。

 選考レースを独走してきた強さは最後まで変わらなかった。今大会、早田が計6試合で落としたのは1ゲームだけ。「五輪に出ることが目標ではなく、五輪の金メダルが目標」。そう言い続けてきた覚悟が本物であることを示すかのように、圧倒的な強さで連覇を達成した。

 「11月の選考会で痛い思いをしていたので。決勝の舞台を精いっぱい楽しんで、チャレンジャーの気持ちで臨もうと思っていた」

 昨年11月の全農カップ大阪大会で初めて敗れた張本美との再戦。第1ゲームを逆転で先取すると、その後は相手を寄せつけずストレートで退けた。パリ五輪シングルス代表の選考を懸けた最後の舞台。昨秋に切符獲得を確実にしていた中でも、自分の今やるべきことに集中した。

 前回の東京五輪は補欠。悔しさがあった一方で、常に選手と一緒に行動し、日本チームとしてメダルを獲ること、そして選手を支える周りの献身ぶりに感動した。自分自身を支える“チームひな”の面々と、同じ思いを共有したい――。「(自分を)サポートしてくれている人たちに、私もそういう気持ちを味わってもらいたい」。大会後、長く指導を受ける石田大輔コーチにそう打ち明け、決意を新たにした。

 日本女子のエースとして臨むパリ五輪。当然、自覚は十分だ。「選考を戦ってきた3位以下の選手たちの分も、責任を持って頑張らないといけない。日本代表に恥じない成績を出したい」。世界一を見据え、半年後の開幕に向けて進化を続ける。

 ≪最年少V届かず…15歳美和涙≫15歳の張本美は史上最年少優勝に届かず、悔し涙を流した。昨年11月に勝った早田に圧倒されてストレート負け。「まだ早田選手にはかなわないなと思った」と肩を落とした。ただ、昨年からの成長は著しく、パリ五輪の団体戦に臨む3枠目の候補に挙がる。「(五輪に)もちろん出たい気持ちはあるけど私がどうこうできるものじゃない。(発表を)待つしかない」と話した。

 ≪団体要員2・5発表≫パリ五輪シングルス代表男女各2枠の選考レースが終わり、男子は張本智と戸上、女子は早田と平野美宇(木下グループ)が代表入りを確実とした。日本協会の強化本部が決める団体要員の男女各1人は2月5日に発表される予定で、男子は松島輝空(木下アカデミー)と篠塚大登(愛知工大)、女子は張本美と伊藤美誠(スターツ)が有力視される。女子の渡辺監督は「会議を重ねて決定する。非常に悩ましい人選」と説明。団体戦の辞退を示唆した伊藤に関して、本人の意思は確認しない方針で「五輪で一番勝てる選手に出てもらいたい」と語った。

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