陵侑「ジャンプ週間」4戦連続2位で3度目総合優勝 逆転負けでの快挙に「面白いっすね」

[ 2024年1月8日 04:30 ]

ジャンプ週間総合優勝を果たし表彰式で笑顔の小林陵侑(中央)
Photo By ゲッティ イメージズ

 22年北京冬季五輪金メダリストの小林陵侑(27=チームROY)が新たな勲章をつかんだ。伝統のジャンプ週間で4戦連続の2位に入り、2季ぶり3度目の総合優勝を飾った。3度の総合優勝は史上6人目で3位タイの快挙。今季は未勝利ながら、プロ転向1季目で大仕事をやってのけ、2月には札幌大会を控える後半戦へ弾みをつけた。

 逆転負けでの総合優勝に、「面白いっすね」と苦笑いを浮かべながらも、仲間たちに胴上げされるころには満面の笑みに変わった。1回目は137メートルを飛んでトップに。2回目は139メートルと距離を伸ばしながらもクラフト(オーストリア)に逆転を許したが、98~99年シーズンのアホネン(フィンランド)以来、25季ぶりに勝利なしでの総合優勝という珍事で歴史に名を刻んだ。

 「まさか今シーズン、獲れるとは思っていなかった。全体を通していいファイトになったと思うし、最後まで集中できて良かった」

 今季8戦未勝利、表彰台も3位が1回と調子が上がらないまま迎えたジャンプ週間。特徴の異なる台で4連戦する伝統の大会は経験値がものをいうが、過去2度の総合優勝を誇る小林陵にとっては追い風となった。ビショフスホーフェンは3連勝で迎えた21~22年の最終戦で優勝を逃した因縁の台だったが、独特の緩い傾斜の助走路に惑わされず。1回目にはスキーを予備用と取り違え、慌てて本番用を取りに行くミスもあったが「今までの経験も生きたし、落ち着いて飛べた」と話した。

 今季からプロに転向。オフは高梨沙羅(クラレ)らとトレーニングを積み、土屋ホーム時代に指導を受けたフィンランド出身のヤンネ・バータイネン氏の指導を仰ぐ。アスリート人生を懸けた決断は吉と出つつあるが、「まだ今シーズン1勝もしていない。シーズン初めに掲げた目標を達成していないので、1勝したい」と控えめに次の目標を掲げた。

 ▽ジャンプ週間 年末年始にドイツ、オーストリアの4つのジャンプ台を計8日間で回る伝統の大会。現在のW杯の原形とされる。52~53年シーズンに始まり、今季は72回目。総合優勝は4試合計8本のジャンプの合計得点で争われる。グランドスラム(4戦全勝)は01~02年のハンナバルト(ドイツ)、17~18年のストッフ(ポーランド)、18~19年の小林陵の3例で、4戦勝利なしでの総合優勝は今季の小林陵が9例目だった。総合優勝の賞金は10万スイスフラン(約1700万円)。

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