佐藤姉弟 混合デュエット日本勢初優勝!涙もシンクロ「夢じゃないかと思うくらい幸せ」

[ 2023年7月17日 05:05 ]

水泳世界選手権第3日 ( 2023年7月16日    福岡 )

演技終了後、トップに立ち、抱き合う佐藤友(左)と佐藤陽(撮影・平嶋 理子)
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 アーティスティックスイミング(AS)混合デュエット・テクニカルルーティン(TR)決勝で、佐藤友花(21)、佐藤陽太郎(18=ともにジョイフルアスレティックク)の姉弟ペアが255・5066点で優勝した。15年大会から採用された非五輪種目の混合デュエットで日本勢初の金メダルとなった。

 歓喜の瞬間の動作もシンクロしていた。12組中9番目に登場。スコアを確認した佐藤きょうだいは、くしゃくしゃにした顔を手で覆い涙を流した。昨年のブダペスト大会はTR、フリールーティン(FR)でともに銀。男子として日本AS界初の金を手にした陽太郎は「夢じゃないかと思うくらい幸せ」と笑った。19年冬に友花がコーチに直談判して20年からペアを結成。姉は「家族の宝物が増えた。19年の冬、私、よくやったな、と思う」と実感を込めた。

 今大会は昨年覇者のイタリア人ペアが故障欠場。本命として臨んだが、予選は苦戦した。技が認定されずに最低評価となるベースマーク(BM)が1つあり、3位通過。回転軸を斜めにする脚技が45~60度の範囲から外れていたミスを犯したが、決勝では修正してBMはなし。冒頭には10点満点の採点をするジャッジもいるほぼ完璧なリフトも決めた。昨年と同じ「ターザン」をテーマに動物の鳴き声が響くプールで力強く泳ぎきった。

 姉弟ならではの感覚があり、脚や手の角度は細かく確認しなくてもアバウトな表現で合う。混合デュエットは非五輪種目だが、2人は今季から男子に門戸が開かれたチーム種目にも出場。友花は「2人でオリンピアンになってメダリストになれれば格好いい」と次の目標に照準を定めた。(木本 新也)

 ◇佐藤 友花(さとう・ともか)2001年(平13)8月22日生まれ、茨城県出身の21歳。中高一貫の並木中教校から筑波大に進学。2歳で水泳、6歳でASを始める。21年の東京五輪は日本代表入りしたが、補欠で出場なし。22年世界選手権でフリーコンビネーション、チームTR、混合デュエットTR、FRで銀、チームFRで銅と5個のメダルを獲得した。身長1メートル67。

 ◇佐藤 陽太郎(さとう・ようたろう)2004年(平16)8月10日生まれ、茨城県出身の18歳。常総学院高から今年4月に筑波大に進学。5歳の時に姉のコーチの勧めでASを始め、中学1年時の17年に日本選手権フリーコンビネーションに出場。19年の世界ユース選手権混合デュエットで銅メダルを獲得した。22年世界選手権は姉・友花との混合デュエットでTR、FRの2つの銀を獲得。身長1メートル79。

 ▽ASの男子 世界選手権では15年から男女1人ずつの混合デュエットを採用。24年パリ五輪から8人によるチームに男子2人まで出場できることになり、世界選手権も今大会から男女混成編成が可能となった。

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