平幕・錦木 若元春破って“確変”モード5連勝 役力士5人に“全勝”

[ 2023年7月14日 05:30 ]

大相撲名古屋場所5日目 ( 2023年7月13日    愛知・ドルフィンズアリーナ )

若元春(右)を寄り切りで破る錦木(撮影・椎名 航)
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 平幕・錦木が関脇・若元春を一気に寄り切って初日からの連勝を5、夏場所8日目からの連勝を13に伸ばした。これで横綱・照ノ富士、新大関・霧島(不戦勝)に加え、大関昇進を狙う3関脇も全員撃破。上位で唯一無敗で名古屋の主役を奪う勢いだ。関脇勢は豊昇龍が小結・阿炎を送り引き落としで退け、大栄翔は明生を押し出し、ともに1敗を守った。4日目から出場した霧島は翔猿に寄り切られた。全勝は錦木、高安、新入幕の豪ノ山の3人となった。

 いつもは控えめなコメントを並べる錦木の声が、珍しく弾んでいた。支度部屋に戻ってくると「今日はいい相撲だったです」と自ら切り出し「今場所最高の一番ですね」とにやり。自信満々に言えるほど、この日の勝ちっぷりには説得力があった。

 連勝街道が始まったのは5月の夏場所8日目。対戦相手は同じ若元春だった。この日、立ち合いで左手を出してくる奇策にも動じず。左前みつに手がかかると、相手が苦しまぎれに引いたところを一気に走った。今場所出場した関脇以上を総なめし、連勝は13に伸びた。名古屋の主役とみられていた3関脇に全勝し「いつも稽古しているし、負けたくない思いはあるので、うれしい」と喜んだ。

 地道な努力を重ねて“確変”モードに突入した。稽古熱心で巡業の稽古は常に皆勤。出稽古にも精力的で「痛風以外で稽古は休んだことはない」という。鍛え抜かれた体はまさに厚みを増したような輝きを放っている。

 その一方で、大好きなお酒も快進撃に欠かせない。現役屈指の「酒好き」で勝っても負けても晩酌の毎日。コロナ下では宿舎で粛々とたしなむことが多かったが、制限が解除され「今場所は外で飲むことが多いのでリラックスできている」と充実をアピールする。

 名古屋の夜ももちろん充実一途で「お酒は場所前から全勝です」と口調も滑らかだ。遅咲きの花を咲かせるべく、主役を完全制圧した32歳は、名古屋の繁華街・錦の夜で英気を養い、主役に躍り出ようとしている。

 《若元春、早くも2敗》
 若元春が錦木の圧力に屈した。「突き放す前に前みつを引かれた。地力が足りなかったかな」と反省。大関昇進目安の3場所合計33勝到達に12勝が必要な今場所、序盤で早くも2敗目を喫して厳しい状況となってきた。それでも「星数については考えてない」とサバサバした様子で「関脇としては内容的にもまだまだ。調子を上げていかないと」と巻き返しを誓った。

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