伊藤美誠 “冬の女王”高木美帆との初めての会話で気分晴れた エール胸に世界卓球で打倒中国へ

[ 2023年5月24日 07:00 ]

東京五輪の卓球混合ダブルスで金メダル獲得した伊藤美誠
Photo By スポニチ

 【オリンピアンロードの歩き方】五輪を目指すアスリートや関係者らを取り上げるコラムの今回は、東京五輪の卓球で混合ダブルス金など3個のメダルを手にした伊藤美誠(22=スターツ)。現在は左でん部痛を抱えながらも、20日に開幕した世界選手権(ダーバン)で女子シングルス、女子ダブルスの2種目に挑んでいる。

 過密日程でも、伊藤が笑顔を見せながら南アフリカで戦っている。6~7日に開催された全農カップでは2回戦敗退。1月ごろから痛みを抱えていた左でん部は「ギリギリの状態。1回でもグキッといくとヤバい」という。万全のコンディションからはほど遠いが「(骨が)折れているとかじゃない。落ち込んでいても意味がない」と前を向く。

 リオ五輪で女子団体銅。東京五輪では女子シングルス銅、女子団体銀、混合ダブルス金と3個のメダルを獲得した。現在はパリ五輪に向けた国内選考会や海外ツアーの転戦が続き、試合で思うように自分らしさを発揮できないこともある中、笑顔を取り戻す出来事があった。

 11日に天皇皇后両陛下が主催する春の園遊会に出席。両陛下と言葉を交わすとともに、スピードスケートで北京五輪金の高木美帆(TOKIOインカラミ)と初めて会った。「穏やかだけど、サバサバしている。自分に合っていて、話をしていて凄く楽しかった」。夏と冬の金メダリストはすぐさま意気投合した。

 たわいもない話から、卓球とスケートの違いや、それぞれの五輪に向けた選考方法まで。卓球には1年間を通して長期のオフがないことを伝えると驚かれた。「久しぶりに、ほかの人と話していて笑ったというか…。(園遊会は)雨が降っていたんですけど、気分は晴れました」。最後は世界選手権に向けて「大変だけど頑張ってね」と言葉を送られた。

 現在、パリ五輪の女子シングルス2枠を懸けた選考ポイントでは7位。厳しい状況ながら、世界選手権など今後も選考対象の大会が続く。「こういう世界選手権で中国人選手(と対戦する)ところまで行って、良い勝負をして、勝つことが本物だと思う」。熱いエールや覚悟を胸に、打倒中国に挑む。

 ◇伊藤 美誠(いとう・みま)2000年(平12)10月21日生まれ、静岡県磐田市出身の22歳。2歳から卓球を始め、11年に10歳で全日本選手権女子シングルスで白星を挙げ、福原愛の最年少勝利記録を更新。リオ五輪では女子団体で銅メダルを獲得。スターツ所属。1メートル52。

続きを表示

「羽生結弦」特集記事

「テニス」特集記事

2023年5月24日のニュース