ガールズ日の丸飛行隊がW杯初の表彰台独占 伊藤有希6季ぶりV!丸山&沙羅が続いた

[ 2023年2月6日 04:30 ]

ノルディックスキージャンプ女子W杯個人第17戦 ( 2023年2月5日    ドイツ・ビリンゲン ヒルサイズ=HS147メートル )

W杯第17戦で日本女子史上初の表彰台独占の快挙を成し遂げた(左から)2位の丸山、6年ぶり優勝の伊藤、3位の高梨(AP)
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 伊藤有希(28=土屋ホーム)が1回目に137メートル、2回目に135・5メートルの大ジャンプをそろえ、合計233・3点で、17年3月以来、6季ぶり6度目の優勝を飾った。丸山希(24=北野建設)が2位に入り、初のW杯表彰台。高梨沙羅(26=クラレ)は歴代最多を更新する通算115回目の表彰台となる3位。11~12年シーズンに始まった女子のジャンプW杯で、日本勢が初めて表彰台を独占する快挙を成し遂げた。

 眼下に見える大観衆の姿がかすむ小雪の中、1回目トップでラストジャンパーの伊藤が、再び大ジャンプを披露した。低い姿勢からHS147メートルの巨大なシャンツェへ飛び出すと、安定した空中姿勢を保つ。着地でテレマークを決めると、6季ぶりの優勝を確信したかのように、両腕を引いてガッツポーズを繰り出した。

 「とてもハッピー。(6季ぶりは)長かったが、挑戦し続けた。ここに戻って来られてうれしい」

 今季は第2戦の8位以外は2桁順位が続いた。3季ぶりの国内開催だった札幌、蔵王での計4戦も14位が最高。だが2週間を挟んで始まった後半戦は7、6、4位と試合ごとにシーズン最高順位を更新。この日も1本目に137メートルを飛ぶと、飛型点でも18点台をそろえて他を圧倒。昨年2月の北京五輪前から力強い踏み切りへつながるように助走姿勢を改良し、ラージヒルでも特に大きなビリンゲンの台で花開いた。

 日本女子の第一人者として五輪に3大会連続出場し世界選手権でも個人で2つの銀メダルを持つ。土屋ホームでは監督兼任の葛西紀明の指導を受け、チームメートに北京五輪王者の小林陵侑がいる環境を「世界一恵まれている」と誇る。高梨に加え丸山も台頭し、「確実に若い子たちの力は上がってきている。その刺激を受けて切磋琢磨(せっさたくま)していきたい」と28歳になっても向上心に陰りはない。

 度重なるルール改正で、体の小さな日本人には不利とされるジャンプ競技での表彰台独占に「歴史的な一日になった」と伊藤。21日に開幕する世界選手権(スロベニア・プラニツァ)に向けても、気勢が上がる一日となった。

 ≪男子は98年が初≫ジャンプのW杯で初めて日本勢が表彰台を独占したのは、98年1月1日にドイツ・ガルミッシュパルテンキルヘンで行われた試合。船木和喜が優勝、原田雅彦が2位、斎藤浩哉が3位と、その後に行われた長野五輪の団体戦金メダルメンバーが上位に名前を連ねた。

 「日の丸飛行隊」の異名をとったのは72年札幌五輪の70メートル級(現ノーマルヒル)で笠谷幸生、金野昭次、青地清二で金、銀、銅を独占し、日本中を熱狂させた。

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