山下美夢有 「メルセデスランク」初代女王へ王手 耐えた5位 広げた西郷とのポイント差

[ 2022年11月7日 04:50 ]

女子ゴルフツアー TOTOジャパンクラシック最終日 ( 2022年11月6日    滋賀県 瀬田GC北C=6616ヤード、パー72 )

優勝したドライバーグ(手前)と健闘を称え合う山下美夢有
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 メルセデス・ランキング1位の山下美夢有(21=加賀電子)が2バーディー、2ボギーの72で回り、通算12アンダーの5位に入った。同ランク2位の西郷真央(21=島津製作所)との差は579・45ポイントに広がり、今年から新しいレギュレーションとなった年間女王の座に王手をかけた。早ければ11日開幕の次戦、伊藤園レディースで決まる。大会は65をマークしたジェマ・ドライブラ(29=英国)が、通算20アンダーでツアー初優勝を飾った。

 ホールアウト後の山下の表情には、悔しさがにじんでいた。4日間ワーストとなる72。5戦ぶりにトップ5に入ったとはいえ、V射程圏の2打差3位から出ただけに当然だった。だが、女王争いで着実にポイントを加えたのも事実。次戦で“初代女王”が決まる可能性が出てきた。

 「最終日にしたくない内容だった、という感じ。パッティングが全く入らなかったので。思うようなストロークができなかった」
 最終日を象徴したのが出だしの1番パー5だ。2メートルのバーディーパットがカップに蹴られた。追う立場で手痛い一打。「タッチとラインが合っていなかった」。後半11番では1・5メートルのパーパットが外れ、最終18番では1・2メートルのチャンスを決めきれず。この日は実に34パットを要した。

 グリーン上では苦しんだが、武器のショットは上向きだ。4日間のパーオン率は全体1位の93%。コーチである父・勝臣さんとスイングテンポを見直した結果だった。米ツアー初優勝となった同組のドライブラのプレーも目に焼きつけた。「私よりもショットがチャンスについていなくても、パッティングで決めてくる。そういうところが大事だなと感じた」。正確なショットとかみ合えば、今季4勝目が見えてくる。

 今シーズンも残り3試合。これまでの獲得賞金による女王ではなく、今年からポイントによるメルセデス・ランキングに基づく「年間最優秀選手賞」が新たなツアーNo・1のタイトルとなった。今大会を終えて、山下と2位の西郷との差は579・45ポイントに広がった。次戦で山下が優勝し、西郷が単独4位以下となれば“初代女王”が決まることになる。

 ただし、山下自身はかねて、女王争いへの意識は「ないですね」とも語っている。あくまでも、目の前の一打を積み重ねた結果だと心得ている。「このままじゃダメなので、もう一回しっかり見直して。残り3試合、上位で戦えたらいい」。もちろん、その視線の先には頂点がある。

 ▽メルセデス・ランキング 大会での順位をポイントに換算し、年間通じての活躍を評価するもの。4日間大会は1位300ポイント、2位180ポイント、3位135ポイント…。3日間大会の1位は200ポイント、国内メジャーの1位は400ポイントなど配分がある。昨季は賞金ランキングかメルセデスランクで50位以内に入った選手にシード権が与えられたが、今季からメルセデスランクだけが対象。メルセデスランク1位に与えられる年間最優秀選手賞がNo・1タイトルとなる。なお、賞金女王の最年少記録は07年の上田桃子の21歳156日。No・1タイトルという定義では、山下が次戦の伊藤園レディースで1位を決めた場合、21歳103日で記録を更新する。一方でメルセデスランクに限ると、19年の渋野日向子の21歳16日が最年少。

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2022年11月7日のニュース