下関国際出身の体操・南一輝 パリ「金」必ず G難度のリ・ジョンソンで「世界一獲る」 

[ 2022年9月7日 11:32 ]

全日本種目別の床で4連覇中の南
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 6月に東京で行われた体操の「全日本種目別選手権」の床運動で山口県出身の南一輝(22=エムズスポーツクラブ)が4連覇を達成した。昨年の世界選手権では初出場で銀メダル獲得と脂が乗っている。目指すは24年のパリ五輪での金メダルだ。

 
 五輪で金メダルを3個獲得するなど“体操界のレジェンド”である内村航平の3連覇(09~11年)を抜く種目別V4。それでも南に満足感はない。「連覇できたことは良かったんですけど、もっとできたなというのはあります」。尊敬する選手として挙げる白井健三は6連覇(13~18年)しているだけに「近づけるようにしたい」と誓った。

 山口県の下関市出身。幼少期はぜんそくを患うなど体が弱かった。病院の先生から「何かスポーツをやった方がいい」と勧められ、小学2年から体操を始めた。中学までは目立つ成績を残せなかったが、下関国際3年時の中国大会で優勝し、高校総体で日本一になったことが転機とになった。床運動が強い仙台大へ進学。それまで全6種目をこなしていたが、大学1年の秋に五輪出場を目指して床運動一本に絞った。一つの種目に集中できるようになり、多いときは1日約3時間の練習を行っている。「練習でやっていたことを試合でも出せるようになった」と話し、「誰よりも自分は床がうまいと思えるようになった」とメンタル面が成長して結果が出るようになった。

 一番の武器はG難度のリ・ジョンソン(後方抱え込み2回宙返り3回ひねり)だ。大学入学後の山口県の国体予選で成功させたことで自信を持ち、徐々に精度を高めてきた。左足首と右ふくらはぎと2度けがをしたこともあるリスクもある大技だが、種目別で4連覇を達成したときに演技に組み込んだ。昨年の世界選手権では足への影響を考慮して演技から外して2位だっただけに、「世界一を獲るには必要だと思っています」と話す。

 昨年の東京五輪は足を痛めた影響で出場を逃した。目指すは24年のパリ五輪。「技術的には獲れると思っている」と自信を口にし、「日本代表として出ることはライバルが多く難しい。勝ち抜けるようにしたい」と前を見据えて話した。

 今月17日からは全日本シニア選手権に出場する。種目別で足を痛めたため、リ・ジョンソンを組み込んだプログラムにするかは分からないが、「最後まで諦めず、自分ができる全力をやりたいと思います」と意気込みを語った。

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