世界水泳 水沼尚輝100バタで銀 日本史上初の表彰台 運動音痴が「メークヒストリー」

[ 2022年6月25日 05:05 ]

水泳 世界選手権第7日 ( 2022年6月24日    ハンガリー・ブダペスト )

<世界水泳第7日>男子100メートルバタフライ決勝、銀メダルを獲得した水沼尚輝(左から2人目)は下山コーチ(左)と笑顔を見せる(撮影・小海途 良幹)
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 男子100メートルバタフライ決勝で、世界水泳5大会ぶりに決勝進出を果たした水沼尚輝(25=新潟医療福祉大職)が、50秒94で銀メダルを獲得した。この種目では五輪、世界選手権通じて日本史上初の表彰台。日本競泳界に新たな歴史を刻み「メークヒストリーすることができた。非常にうれしい」と胸を張った。

 第5レーンを泳ぎ、終盤に追い上げた。世界記録保持者のドレセル(米国)棄権する中、優勝したミラク(ハンガリー)とは0秒80差。3位のエドワーズとはわずか0秒03差の接戦だった。昨夏の東京五輪は10位で準決勝敗退。大舞台で力を発揮できないことが課題だったが、3月の国際大会日本代表選考会で日本勢初の50秒台をマークして13年ぶりに日本記録を更新し自信をつけた。今大会の準決勝では自らの日本記録を0秒05更新する50秒81をマーク。全体2位で決勝に駒を進めていた。

 少年時代は縄跳びの二重跳びができず、野球ではキャッチボールもままならなかった。小学2年の時、1日だけサッカークラブの練習に参加したが、ゲーム形式では周囲の動きについていけず一度もボールに触れることができなかった。陸上では“運動音痴”だったが、幼少時代から水に入るのは大好き。栃木県内の実家にある観賞用の池で鯉と一緒に泳ぎ「池の中で「なんで鯉ってこうやって泳ぐんだろう?」「なんでヌルヌルしているんだろう?」と好奇心をくすぐられた。その姿を見た家族からは「前世は魚だったんじゃないか…」と言われた。

 靴のサイズは30センチ。大きな足から繰り出されるドルフィンキックが大きな推進力を生む。作新学院高出身で、16年リオ五輪400メートル個人メドレー金メダルの萩野公介の2学年後輩。憧れ続けた先輩が東京五輪を最後に現役を引退したが、次の世界大会で自身がメダリストになった。

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