【玉ノ井親方 視点】隆の勝 組んで勝てた大きな1勝

[ 2022年5月19日 05:30 ]

大相撲夏場所11日目 ( 2022年5月18日    両国国技館 )

豊昇龍(下)を寄り倒しで破る隆の勝(撮影・郡司 修)
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 豊昇龍に勝って2敗を守った隆の勝だが、相撲内容は思い描いていたものではなかったに違いない。本来なら突いて出るか、はず押しで一気に前に出たかった。だが、立ち合いで左から張られ、一瞬動きが止まって右四つに組まれてしまう。ただ、相手の左上手の位置が深かったのが幸いした。豊昇龍はまわしを取った左が伸びて投げを打てず。逆に隆の勝は下手投げを打ってペースをつかむ。最後は強引な外掛けで相手がバランスを崩したところをそのまま寄り倒した。豊昇龍が外掛けで墓穴を掘ったとも言える一番だった。

 突き押しのイメージが強い隆の勝だが、組んでも取れる。ただ、最初からまわしを狙うと脇が甘くなるので、両脇を締めて前に出る相撲を基本にした方が良い。それでも、若い伸び盛りの豊昇龍を相手にいつもとは違う形で勝てたのは大きい。(元大関・栃東)

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2022年5月19日のニュース