高木美帆は鉄人だ!3月世界選手権で2日間4種目、北京から帰国もわずか1日で渡欧

[ 2022年2月22日 05:30 ]

帰国した高木美帆(代表撮影)
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 北京五輪で冬季の日本勢一大会最多4個のメダルを獲得したスピードスケートの高木美帆(27=日体大職)が21日、成田空港着の航空機で帰国した。休む間もなく、世界選手権(3月3~6日、ノルウェー・ハーマル)に向けて22日に渡欧予定。500、1500、3000、5000メートルの4種目で争う「オールラウンド部門」で頂点を狙う。五輪では13日間で5種目7レースをこなしたが、再び後半の2日間で4種目4レースの強行日程に挑む。

 記録にも記憶にも残る激闘を演じても、休む暇はない。日本滞在は1日だけ。北京五輪を終えて21日に帰国した高木美は22日にノルウェーにたつ。次の目標は来月3日開幕の世界選手権のオールラウンド部門制覇。5日に500、3000メートル、6日に1500、5000メートルを滑り、総合成績で頂点を争う。「次の戦いはゼロからと思っている。新しい気持ちで臨みたい」。五輪閉幕から2週間足らずで再び世界舞台を迎える。

 北京では13日間で7レース、計1万3200メートルを滑った。最初の3000メートルは6位で、続く1500メートルは優勝候補に挙がりながら銀。3種目目はレース経験の少ない500メートルで望外の銀を手にした。連覇を狙った団体追い抜きは決勝の最終コーナーで姉・菜那が転倒するまさかの結末で銀。銀3個で迎えた最終1000メートルで個人種目初の金を勝ち取った。大会終盤は食欲が落ち「体は限界。内臓はギリギリ」の状態。全5種目を終えた後、数日間せきが止まらないほど消耗していた。

 次は2日で4レース。五輪では滑っていない5000メートルも待つ。今季W杯第2戦で格下のBクラスを滑り、Aクラスを含め9位相当のタイムだった種目。高木美は五輪を総括し「3000メートルはまだ上位と差がある。オールラウンダーになれたかというと、まだそこまで」と自己評価する。長距離で上位に食い込むことが課題とはいえ、4種目の総合力では絶対的な優勝候補。五輪から心身ともにリカバリーできるかが焦点となる。

 世界選手権後にはW杯最終戦(12、13日、オランダ・ヘーレンフェイン)が待つ。今季はコロナ感染予防で美容室へ行くことを控えており「日本に帰って落ち着いたら美容室に行きたい」と話しているが、髪を切れるのはもう少し先。さらにタイトルを積み上げて、北京イヤーを有終の美で飾る。

 ▽スピードスケート世界選手権 500メートル、1000メートルを2度ずつ滑るスプリント部門、500、1500、3000、5000メートルを滑るオールラウンド部門がある。1889年に創設された世界オールラウンド選手権と、1970年に始まった世界スプリント選手権が、2020年に統合。高木美は2018年にオールラウンド、20年にスプリントで総合優勝。

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