ロコ・ソラーレ 大逆転切符に号泣、連敗崖っぷちからミラクル3連勝で北京五輪前進

[ 2021年9月13日 05:30 ]

カーリング 女子日本代表決定戦最終日 ( 2021年9月12日    北海道稚内市みどりスポーツパーク )

日本代表に決まり、喜ぶロコ・ソラーレの(右から)藤沢五月、吉田夕梨花、石崎琴美、鈴木夕湖、吉田知那美
Photo By 代表撮影

 18年平昌五輪銅メダルのロコ・ソラーレが、大逆転で22年北京五輪へ前進した。北海道銀行との“5番勝負”で連敗スタートを切ったが、前日(11日)の第3戦からこの日の第4、5戦と3連勝。日本代表として12月の最終予選(オランダ)に臨み、3位以内で北京五輪出場となる。

 無観客の会場にロコ・ソラーレの歓喜の声が響き、そして安堵(あんど)の涙がアイスに落ちた。崖っ縁からのミラクル3連勝。チーム一丸で北京五輪に前進し、スキップ・藤沢五月が「1人じゃできなかった。本当にみんながいてくれて良かった」と言えば、サードの吉田知那美も「ずっと怖くて、ようやくクモの糸が下りてきたような気持ち」と声を震わせた。

 1勝2敗で迎えた最終日、第4戦を制して望みをつなぐと、最終第5戦は7―6で最終第10エンドに。11日の第2戦、藤沢はハウス中心に寄せれば勝利というラストショットでミスをしていた。最終戦も同じ状況だったが、今度はきっちりと成功。「絶対決めたいと思って、決めて勝てたのがうれしかった。あのショットを最後に投げられて良かった」と大粒の涙を拭った。

 連敗を喫した後、選手やコーチ、スタッフも含めて話し合った。戦術やショット率は悪くないにもかかわらず、勝利が遠い。「運が味方してくれないなら、自分たちで運命を変えよう」という思いを全員で共有。第3戦以降はみんなで笑い、感情を爆発させながらプレー。「ちょーかっこ悪かったです、ちょーダサかったです。でも、私たちはトップアスリートになんかならなくて良くて、私たちはロコ・ソラーレであればいい」と吉田知は胸を張った。

 12月の最終予選で3位以内に入れば、五輪出場が決まる。18年平昌では、日本カーリング界初の表彰台となる銅メダルを獲得した。「18年と比べても、自分たちが成長しているのを実感できる」と藤沢。「チーム全員で、次からもかっこ悪く、ガムシャラにやりたい」。さらに輝く勲章を目指して、ロコが進撃する。

 ≪MVPの鈴木「ドッキリですか?」≫MVPに輝いたのはロコ・ソラーレのセカンド・鈴木だった。巧みなショットと力強いスイープでチームに貢献。「ドッキリですか?私でいいんですか?ありがとうございま~す!」と笑顔だった。MVP賞として全農が運営する産地直送通販サイト「JAタウン」のギフトカードをゲット。「本当にチームを誇りに思う」と話したリードの吉田夕は、17日からの混合ダブルス代表決定戦にも出場する。

 ▽22年北京五輪への道 ロコ・ソラーレは日本代表として12月10~19日にオランダで開催される世界最終予選に臨む。同予選には9チームが出場し、3位以内に入れば五輪出場権を獲得。そのまま日本代表として本番に出場する。北京五輪には10チームが参加する。

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