【荒磯親方 真眼】けんか四つの肝「我慢」できず隙できた朝乃山

[ 2021年5月11日 05:30 ]

大相撲夏場所2日目 ( 2021年5月10日    両国国技館 )

「我慢」できず隙ができた朝乃山(撮影・篠原岳夫)
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 けんか四つの攻防の肝は「我慢」です。早く自分の形になりたい気持ちは、どの力士も強いはず。それが勝利への近道だと、焦って勝負に出ることが、墓穴を掘ることにもなります。右四つの朝乃山と左四つの明生の差し手争い。一瞬の隙を見逃さなかった明生もさすがですが、朝乃山は落とし穴にはまったようでした。

 自分の現役時代もそうでしたが、大関は右を差す時にやや脇が開く傾向があります。この日も右からの攻めで体が開き、明生に左を差し込まれました。ときには、差しにいきたくなるところをぐっとこらえることも必要でしょう。右腕をくの字にしながら、おなかにくっつける姿勢。利き腕を体にできるだけ近づけ、体圧で攻め立てる相撲が理想です。

 2日目にして早くも土がついてしまいましたが、まだ序盤です。この日の苦い経験を生かして反撃に転じてほしいと思います。大関が序盤でバタバタと負けるシーンはもう見たくありません。(元横綱・稀勢の里)

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2021年5月11日のニュース