新会長選出へ“5つの基準”確認 武藤事務総長「全部及第点になるのは現実的ではない」

[ 2021年2月16日 19:42 ]

武藤敏郎事務総長
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 東京五輪・パラリンピック組織委員会は16日午後、女性蔑視発言で辞任を表明した森喜朗会長(83)の後任候補を選出する検討委員会の初会合を開催。都内のホテルに組織委の御手洗冨士夫名誉会長(85=キヤノン会長)らが集まり、8人の委員とともに1時間以上の議論を行った。この日は新会長に求められる資質について意見を集め、5項目の観点を取りまとめた。

 会合後には武藤敏郎事務総長(77)が報道陣の取材に対応。「今日の第1回の選考検討委員会の最大の課題は“会長にふさわしい資質はどんなものか”という議論から始まりました。それで、5項目を皆さんの意見を踏まえて作りました。最初の原案は御手洗座長が提案をされまして、皆さんが意見して最終的にこういう形になりました」と説明した。

 武藤事務総長との主な一問一答は以下のとおり。

 ――会議の時間は?
 「今日は(午後)1時半に始まりまして、1時間以上かかった。2時40分くらいまでかと思う」

 ――8人全員がオンサイトで出席?
 「いや、リモートの人が2人」

 ――5つの観点についてどう評価?
 「皆さんがこういう基準で考えたらどうか、と。どういう人をイメージしたら良いのかを委員の皆さんも同じ基準で考える必要があるということでこういうことを言われた。自分の立場からものを言うようなことではないけど、1つ1つごもっともなことじゃないかと思う。ただ、議論している時にも出たけど基準であるかのように考えて硬直的に考えるのはいかがなものかと。順番も番号をふってるけど、重要性の順番ではなくて、みんな同じウエートで考えていくもの。この他にもあるかもしれない。現時点でこんなことを資質として取りまとめた」

 ――必ずしもこの5つをクリアしている人が候補ではない?
 「そういうふうに厳密に考えないようにしようということだと思う。もちろん、できるだけこれにかなった人が望ましいけど、なかなか全部について及第点になるのは現実的ではない。素晴らしい基準なんだけど、ぞれに全て当てはまらないといけないってことは適切じゃない」

 ――どの時点で候補者を公表する?
 「まだ決めてないけど、プライバシー、人権にかかわりかねない。その人が順調に選ばれれば問題ないけど、違う人になった時に人権問題だと思うので、そういう不確定要素がなくなった時に公表するのが良いと思っている。決定されないのに公表するっていうのは、万が一のことを考えたら人権問題になっちゃう」

 ――会議の雰囲気は?
 「重大な責任のある仕事だということを、あらためて皆さんが思われたと思う。本当に東京大会の成否がかかる、ある意味、歴史的に評価される事柄なので『大変な重責を負った』『真剣に考えたい』といった雰囲気。深刻な雰囲気ではなかった」

 検討委員会が新会長にふさわしい資質として挙げた項目は以下のとおり。

 (1)オリンピック・パラリンピック、スポーツに対する深い造詣があること
 (2)ジェンダー・イコーリティー、ダイバーシティ、インクルージョンなどオリンピック憲章や東京大会の理念を実現し、それを将来にレガシーとしてつなげていくことができる人
 (3)国際的な活動の経験があり、国際的な知名度や国際感覚があること
 (4)東京大会のこれまでの経緯や準備状況について理解していること
 (5)組織運営能力や多様な関係者の調和を図る調整力を備えていること

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2021年2月16日のニュース