35歳、明瀬山4連勝発進! 史上4位のブランク記録28場所ぶり幕内復帰で進撃

[ 2021年1月14日 05:30 ]

大相撲初場所 4日目 ( 2021年1月13日    両国国技館 )

翠富士(右)を攻める明瀬山(撮影・西海健太郎)
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 史上4位のブランク記録となる28場所ぶりの幕内復帰を果たした明瀬山が翠富士との全勝対決を制し、4連勝とした。小兵相手に胸を合わせる展開に持ち込み、最後は万全の寄り切り。35歳のベテランが幕内前半戦を盛り上げている。幕内の全勝は早くも明瀬山、大栄翔、明生の平幕3人。大関陣は朝乃山と正代が勝ったものの、綱獲りの貴景勝は宝富士に敗れ、まさかの4連敗となった。

 視線の先には11歳下の新入幕がいた。身長で11センチ、体重では69キロ上回る明瀬山は、翠富士を常に前に置いて攻め込んだ。相手の左を警戒しながら胸を合わせる体勢に持ち込むと、右も差し込んでもろ差し。まわしを引きつけ力強く寄った。
 新入幕は16年春場所。5年前は「フルぼっこにされた」と4勝11敗に終わったが、早くも前回の勝ち星に並んだ。「特に特別なことをしていないんですけど」と謙遜するが、今年から相手の相撲をビデオで見て研究しているという。翠富士とは十両、幕下で対戦経験があり「(得意技の)肩透かしだけをされないように」と分析していた。

 小学生時代はわんぱく相撲で2度、横綱に輝いた。埼玉栄から日大のエリートコースを歩んできたが、プロ入り後は恵まれた体格を生かせず、最近は十両と幕下のエレベーター生活が続いた。だが、史上4位のブランク記録となる28場所ぶりに幕内に戻ると、初日から4連勝。八角理事長(元横綱・北勝海)も「ベテランがコツコツやって、幕内に戻って4連勝。まじめにやっていればいいことがあるという見本」とたたえた。

 昨年初場所で平幕優勝した徳勝龍、11月場所で優勝争いした志摩ノ海と、ここ1年、幕内下位の木瀬部屋勢が旋風を巻き起こしている。リモート取材を受けている最中に安治川親方(元関脇・安美錦)から「優勝宣言しろよ」と突っ込まれ「できないですよ」と完全否定していたが、笑顔が途絶えることはなかった。部屋3人目の刺客が、主役を務めようとしている。

 ◆明瀬山 光彦(あきせやま・みつひこ、本名・深尾光彦)1985年(昭60)7月18日生まれ、愛知県春日井市出身の35歳。木瀬部屋。6歳から地元の相撲クラブに通い、小4、5年はわんぱく横綱。埼玉栄から日大に進み、08年初場所で初土俵。10年九州で新十両に昇進し本名から改名。16年春に新入幕もその後は十両と幕下を行き来した。今場所は28場所ぶりの幕内復帰。得意は突き押し。1メートル82、183キロ。

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2021年1月14日のニュース