【荒磯親方 真眼】元柔道部の技?悪い流れ変えた竜電の前さばき

[ 2020年11月19日 05:30 ]

大相撲11月場所11日目 ( 2020年11月18日    両国国技館 )

宝富士(下)を送り倒しで破る竜電(撮影・会津 智海)
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 竜電は調子のいい宝富士の十分な左四つになって右上手を取られ、非常に悪い流れでした。しかし、そこで前さばきのうまさが出ました。竜電の右上手は1枚まわしで伸びていましたが、絞り込んで頭をつけて上手を切りました。左下手も殺し、左四つでも何もさせず、なおかつ出し投げを打ちながら後ろを向かせました。しっかり下味を付けながら、じわじわと料理した感じ。大きい体なので頭を付けるのはあり得ないような気もしますが、あえてやることによって相手は嫌がります。前さばきのうまさは、柔道をやっていたことも影響しているのでしょう。

 今場所は腰を振りながら立つ独特の立ち合いをしています。勢いをそのままぶつけにいくにはプラスになります。ただ、相撲巧者にはそこを突かれる可能性もあり、もろ刃の剣と言えます。貴景勝ら上位との対戦の可能性もある中、立ち合いの善しあしが「善し」になることを期待しています。(元横綱・稀勢の里)

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2020年11月19日のニュース