ラグビー“42歳鉄人”大野が引退 代表歴代最多98キャップ 15年W杯南ア戦大金星にも貢献

[ 2020年5月19日 05:30 ]

42歳鉄人がついに…引退を表明した大野
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 ラグビーのトップリーグ、東芝は18日、日本代表歴代最多の98キャップを持つロック大野均(42)の現役引退を発表した。22日にオンラインで会見を開く。

 福島県郡山市の酪農家で育った大野は、清陵情報高時代まで野球に没頭。同市内にキャンパスがある日大工学部進学とともにラグビーを始める異例のキャリアながら、トライアウトを経て2001年4月に東日本社会人リーグ(当時)の強豪だった東芝に入部。「親に見せられない練習」と恐れられた練習で頭角を現し、ほどなくレギュラーに定着した。

 日本代表としては04年5月の韓国戦で初キャップを獲得。以後は代表の常連となり、W杯には07年フランス大会、11年ニュージーランド大会、15年イングランド大会と3大会連続で選出。15年大会の南アフリカ戦でも先発し、大金星に貢献。史上初の100キャップ獲得に期待が集まったが、結果的に16年6月25日のスコットランド戦(味スタ)が最後の代表戦出場となった。

 座右の銘は「灰になってもまだ燃える」。言葉を地で行く愚直なプレーは多くのファンを魅了し、同僚からは「キンちゃん」の愛称で親しまれた。アスリートでありながら酒豪としても知られ、日本代表前ヘッドコーチのエディー・ジョーンズ氏からは、合宿中の飲酒を許される唯一無二の存在だった。

 新型コロナウイルスの影響で打ち切られた今シーズンは、6試合で一度も出場機会がなかった。最後の雄姿をファンに見守られることもなく、鉄人が静かにジャージーを脱いだ。

 ◆大野 均(おおの・ひとし)1978年(昭53)5月6日生まれ、福島県郡山市出身の42歳。清陵情報高まで野球部に所属し外野手。日大工学部からラグビーを始め、01年4月に東芝入り。04年5月に代表初キャップを獲得し、歴代最多の98キャップ。07、11、15年W杯代表。サンウルブズでも16、17年にプレー。トップリーグ通算170試合出場は歴代2位。1メートル92、105キロ。ポジションはロック。

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