しぶこ育てた名コーチ・青木翔のらくらく上達講座(8)

[ 2020年2月28日 12:00 ]

アプローチのポイント解説を行う青木翔コーチ
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 渋野日向子のスイングコーチを務める青木翔氏の特別レッスン。第8回のテーマは、アプローチです。青木コーチによれば、アプローチではピッチエンドランを最初に身につけるべきだと言います。この打ち方さえマスターできれば、あとはボールの位置を変えるだけで、上げたり、転がすことができるからです。まずは3ヤードをキャリーさせるピッチエンドランを打つことから始めましょう。

 ピッチエンドランで使用するクラブはSWです。ただし、ロフトに注意して下さい。ビギナーやアベレージゴルファーには58度以上のSWをあまり勧めたくありません。なぜなら、ロフトが大きいと、ボールからフェースの芯までの距離が遠くなるからです。実際に構えると分かりますが、56度と58度とでは、明らかにボールからフェースまでの距離に差があります。その結果、ヘッドがボールの下を潜ったり、ミスヒットにつながります。SWはなるべく57度以下のものを使いましょう。

 ピッチエンドランの打ち方ですが、大切なのはアドレスです。ボールの位置は体の真ん中。みぞおちの前ぐらいにセットします。アベレージゴルファーは両手を極端に目標寄りに出したり、目標の反対側に引いたりします。これだとミスヒットが多いので注意しましょう。

 正解は、左足太もも内側の前です。スタンスの向きはオープンでもスクエアでもクローズでも構いません。自分にとってアドレスした位置にヘッドを戻しやすい構えを選択して下さい。また、フェースを開くと、ロフトの大きなSWを使うのと同じになるので、スクエアに構えます。

 最初は3ヤードの距離をキャリーするイメージで、両手が右膝から左膝までの振り幅でボールを打ちましょう。3ヤードの距離が打てたら、振り幅を大きくして10ヤード、20ヤード、30ヤードと距離を伸ばしていきます。キャリーが安定しなかったり、インパクトでボールをうまくとらえられない人には次のドリルが有効です。

 ボールから少し離れたところで、足踏みをしながら素振りを行います。体重を右足、左足、右足、左足…といった具合に乗せながら行うイメージです。右足に体重を乗せたときにはクラブがバックスイングの位置に、左足に体重を乗せたときにはクラブがフォロースルーの位置にくるように振りましょう。振り幅は両手が右膝から左膝まで。リズムよく素振りをできるまで行います。

 それができたら、今度はステップを踏みながらボールに近づき、実際に打ちます。アドレスした形から、左足に体重を乗せてクラブをフォロースルーの位置に出します。次に右斜め前に右足を踏み出しながらバックスイングを行います。最後に左足を前に出しつつ体重を乗せたら、クラブを下ろしてボールを打ちます。以前、説明したステップ打ちのアプローチ版だと考えて下さい。

 注意点はグリッププレッシャーを変えないこと。ステップをした足に体重をしっかりと乗せることです。

 最初は難しく感じるかもしれませんが、この動きができるようになれば、アプローチは格段に上達します。さらに、通常のショットでもミート率がアップするようになります。あきらめずに根気強く続けましょう。(取材協力=兵庫・パインレークゴルフクラブ)

 ◇青木 翔(あおき・しょう) 1983年(昭58)3月28日生まれ、福岡県出身の36歳。福岡大卒。11年からジュニアの指導を行い、12年に「AOKI SHO GOLF ACADEMY」を設立。USGTF公認ティーチングプロ資格保持。ジュニアやプロ育成に注力し、18年から渋野日向子とコーチ契約を結ぶ。家族は夫人と長男。1メートル81、77キロ。

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