徳勝龍、また“逆転”で自己新12勝 ともに1敗死守・正代と25日直接対決

[ 2020年1月25日 05:30 ]

大相撲初場所13日目 ( 2020年1月24日    両国国技館 )

豊山(左)を突き落としで破る徳勝龍(撮影・村上 大輔)
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 優勝争いは3人に絞られ、14日目は賜杯の行方を大きく左右する平幕同士の1敗対決となった。“逆転”が枕ことばになりつつある徳勝龍は豊山を突き落とし、正代は輝を寄り切り、ともに1敗をキープ。13日目を終え複数の平幕力士でトップを占めるのは、1場所15日制が定着した49年夏場所以降初となった。2敗の大関・貴景勝は関脇・高安を押し出し1差で追いかける。

 またも土俵際で徳勝龍の“ハンドパワー”がさく裂した。豊山に逆襲され、喉輪で上体を起こされた土俵際、とっさに左の突き落とし。右脇付近を直撃された相手は横倒しで土俵下へ。「体が完全に起きかけてヤバいと思いました。あんまり覚えていない」。支度部屋では二重三重に取り囲む記者へ「最後はどうなったんですかね」と逆質問。それほど必死の一撃だった。

 10日目の千代丸戦から4日連続の突き落としで逆転。勝利の女神にほれられたとしか思えない快進撃で自己新記録の12勝に到達した。「プレッシャーはない。今場所は(番付が)一番下なので、負けても取りこぼしじゃない」と自分に言い聞かせて、戦っている。

 師匠の木瀬親方(元幕内・肥後ノ海)は「自分は朝稽古でケガしたことがある。15日間、相撲を取ってお客さんに見せるのが大事」と説く。その教えを守り、徳勝龍は場所入り前に必ず部屋で30分間ストレッチと付け人のマッサージを受け、心身を整える。おかげで休場は一度もない。

 競走馬ならば“無事之(これ)名馬”というところ。師匠は「力は正代だけど(徳勝龍は)逆転、逆転で来ているから分からん」と期待を込める。確かに、そう思わせる勢いがある。

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