堀米“不死鳥”V!ケガ&敗退危機W崖っぷちから五輪予選初制覇

[ 2019年7月30日 05:30 ]

スケートボード ストリートリーグ(SLS)第2戦 ( 2019年7月28日    米カルフォルニア州ロサンゼルス )

男子準決勝で演技する堀米。最終5回目で決勝進出を決めた
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 来年の東京五輪の予選対象大会を兼ねる世界最高峰のプロツアーで、男子は昨季3勝を挙げた堀米雄斗(20=XFLAG)が35・7点で優勝した。白井空良(そら、17=ムラサキスポーツ)は27・0点で6位。女子は1月の世界選手権(ブラジル)を制した西村碧莉(あおり、17=木下グループ)が22・1点で4位、織田夢海(ゆめか、12=ムラサキスポーツ)は8・1点で8位だった。

 ストリートのエースが輝きを取り戻した。「ハードな一年になる」と覚悟して臨んだ今年、右かかとを痛めて5月のSLS第1戦、6月のデュー・ツアーと立て続けに準決勝で敗退。昨年SLS3勝という偉業を成し遂げながら不振にあえいでいた堀米だが、鮮やかに復活し、五輪予選を初めて制した。「本当にホッとした」。優勝トロフィーを掲げ、笑みを浮かべた。

 崖っ縁から“鬼門”を突破した。準決勝では序盤は順調に得点を伸ばしたが、一発技を争う「ベストトリック」の3、4回目で転倒して、決勝進出圏外へ。追い込まれて迎えた最終5回目、難しい動きを詰め込んだ独創性の高い技で8・9点のハイスコアをマークし、一気に2位に浮上して、決勝に駒を進めた。

 8人で争う決勝では、前足で踏み切り270度回転してからレールにボードを滑らせる大技「ノーリー・バックサイド270ノーズスライド」で、9・4点のハイスコアをマーク。「人があんまりやらないようなトリックを練習しているんで、そういうところを見てもらえるとうれしい」。ライバルの追随を許さないハイリスクなトリックを決め、貫禄を見せつけた。

 新種目として実施される東京五輪の開幕まで1年を切った。カウントダウンが進む中、重圧を受け入れて前進を続ける。「プレッシャーは、いつもあるんで。プレッシャーを自分のベストなコンディションに変えられるかって感じ」と言う20歳は、「五輪に出られたら、やっぱメダルを狙っていきたい」と気合十分。来夏、熱い滑りでTOKYOの主役になる。

 ▽東京五輪のスケートボード 新種目として「ストリート」と「パーク」の2種目が初めて実施される。出場枠は両種目男女各20人で、1カ国最大3人。20年世界選手権の上位3人が出場権を獲得し、残りの選手は世界選手権やSLS、デュー・ツアーなど指定大会によるワールドスケートの五輪ランクで決まる。

 ◆堀米 雄斗(ほりごめ・ゆうと)1999年(平11)1月7日生まれ、東京都江東区出身の20歳。父の影響で6歳でスケートボードを始め、17年から米カリフォルニア州ロサンゼルス近郊に拠点を移した。スタンスは、右足が前に出るグーフィー。1メートル70、45キロ。

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