八村“デビュー戦”でアリウープ決めた!NBA塁伝説幕開け14得点

[ 2019年7月8日 05:30 ]

NBAサマーリーグ   ウィザース84―79ペリカンズ ( 2019年7月6日    米ラスベガス )

NBAサマーリーグで「プロデビュー」を果たしダンクを決めたウィザーズの八村(AP)
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 NBAウィザーズの八村塁(21)が6日(日本時間7日)、米ラスベガスで行われた若手選手の登竜門、サマーリーグでプロデビューした。ペリカンズの一員として参戦している比江島慎(28=栃木)との日本人対決が実現した中、33分36秒のプレーで14得点5リバウンドをマークし、84―79の勝利に貢献。日本人として初めてNBAドラフト1巡目(全体9番目)指名を受けた実力をプロ初の実戦で発揮した。

 「今日のハイライトは?」と問われた八村は「やっぱりダンクですかね」と答えた。第3クオーター(Q)5分40秒、ガードのフィリップが投げ上げたパスに右奥から走り込み、空中でつかむとそのまま叩き込むアリウープダンク。豪快な一撃で会場のボルテージを上げ「良かったんじゃないかな」と納得の表情を浮かべた。

 コート脇に10台のテレビカメラが並んだNBA初の実戦。背番号8のルーキーは開始66秒、最初に放ったフックシュートで初得点をマークしたものの、動きは硬かった。シュートがブロックされ、リングにはじかれるなど6本続けてフィールドゴールを外し、前半は2得点。だが、第3Q開始49秒でジャンプシュートを決め、第4Qにはドライブからのレイアップなど8得点。終わってみれば14得点をマークした。

 実戦はゴンザガ大が全米大学選手権で敗退した3月30日以来3カ月ぶり。「久しぶりにやるとやっぱりゲームの感覚も違う。後半は盛り返せてできたんじゃないかと思う」。不調ながら最終的に数字で“帳尻”を合わせるあたりが総合力の証明だ。第2Q4分すぎにはレイアップを狙った相手の背後から跳び上がり、はたき落とすブロックショット。「ディフェンスは凄く好きでプライドを持っている部分がある。良いところを見せられた」と話す八村を、サマーリーグを指揮するパック・コーチも「さまざまな場面で踏ん張る姿勢はレギュラーシーズンでも生きてくると思う」と評価した。

 第2Qはペリカンズの比江島と同時にコートに立ち、NBA初となる日本人対決も実現した。「今まで日本人がNBAでこういうふうにコートに立つことはなかった。大きな瞬間だったんじゃないかな」。歴史的シーンが生まれたのは、主力と期待される八村が長い時間プレーしたからこそ。チーム最多の18得点を挙げた2年目のフォワード、ブラウンは「実力はこんなもんじゃない。賭けてもいいが、次の試合で彼はもっと良くなるぜ」と太鼓判を押した。

 ▼サマーリーグ NBAのオフシーズンに開催される大会で、チームは前シーズンと異なるメンバーを試し、選手側は主に新人や下部組織所属の若手、NBA契約を目指す招待選手らがしのぎを削る。優勝チームやMVPなども決める。日本勢では03年に田臥勇太(現栃木)、17年に富樫勇樹(現千葉)が、ともにマーベリックスの一員として出場。今年は7月1~3日にソルトレークシティーとサクラメントでも開催され、ラスベガス大会は15日まで行われる。

 ▽アリウープ(Alley―oop) バスケットボールの攻撃で、1人がバスケット近くへパスし、もう1人が空中でボールを受けてそのままシュートを決めるプレー。NBAの場合、シュートはバスケットの上から叩きつけるダンクであることが多い。語源はフランス語のサーカスのアクロバット演技でジャンプする際の掛け声「Allez hop(アレオップ)」。

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