貴景勝休場、大関陥落へ 横綱目指すため…右膝治療専念

[ 2019年7月5日 05:30 ]

名古屋場所休場が決まり、報道陣の質問に神妙な表情で答える貴景勝
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 右膝を痛めている大関・貴景勝(22=千賀ノ浦部屋)がカド番で迎える名古屋場所(7日初日、ドルフィンズアリーナ)を休場することが4日、決まった。この日の夜、名古屋市北区の部屋で師匠の千賀ノ浦親方(元小結・隆三杉)に伝えた。途中出場はせずに治療、リハビリに専念するため、秋場所(9月8日初日、両国国技館)は関脇に転落する。貴景勝は新大関だった夏場所で右膝を負傷して途中休場。在位2場所での陥落となった。

 名古屋市内で行われた名古屋場所前夜祭の収録に参加した貴景勝は、出演を終えると千賀ノ浦部屋に直行した。千賀ノ浦親方と30分ほど話し合ってから部屋を出ると「休場します」と明言。「出るつもりでやってきたが、師匠に“まだ力士生活はある。もう少し万全に治すのが正しい”と言われた。師匠の判断は絶対。納得して選択した」と決断に至った経緯を説明した。

 紆余(うよ)曲折を経て大関陥落を受け入れた。貴景勝が右膝じん帯を損傷してから、相撲を取ったのは今月に入って2回だけ。相手は幕下以下の力士だった。この日は基本運動だけで終え、その後に親方と出場の可否について協議。「若い衆とちょっとやっただけで相撲勘は戻らない。ぶっつけ本番でできるほど甘くない」と休場を勧める師匠に対し、貴景勝は出場の意思が固かった。話し合いは4時間に及んだが、前夜祭のため、部屋を離れるまでは結論が出なかった。

 翻意したのは横綱になりたいという思いを優先させたから。「もう一つ、最後の番付を目指したい。ケガと付き合いながらやるという選択肢もあるが、しっかり治してからやるという選択」。中途半端な状態で出場してケガを悪化させれば、道は閉ざされかねない。「陥落は残念だが、5年後、10年後、この経験があったから自分があると言えるようになりたい。強くなるために地道にやっていく」と前を向いた。

 関脇となる秋場所は、10勝を挙げれば特例で大関復帰となる。千賀ノ浦親方は「全身全霊で取り組めば、それだけの成績を残せる」と期待した。三重ノ海は大関陥落を経験しながら横綱に昇進した。22歳の若武者は可能性を十分に秘めている。

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2019年7月5日のニュース