八村が歴史を作る 21日8時、運命のNBAドラフト

[ 2019年6月21日 05:30 ]

NBAのドラフト会議を翌日に控え、記者会見する米ゴンザガ大の八村
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 米プロバスケットボールNBAのドラフト会議が、20日午後7時(日本時間21日午前8時)からニューヨークのバークレイズセンターで行われる。日本人初の1巡目指名が確実視される八村塁(21=ゴンザガ大)は19日、NBA主催の前日会見などのスケジュールをこなし、歴史的な一日に備えた。チームに関係なく1年目からの活躍を誓い、プレーオフ出場を目標に掲げた。

 世界中の注目を集めるビッグイベントが翌日に迫っても、八村は落ち着いていた。注目株20人が招待されたNBA主催の会見。日本人初の1巡目指名が確実視される中で「ただの会議なので、別に何も。ただ呼ばれて握手する、ただのミーティング。ただのイベントだと思っている。まあ楽しみです」と強心臓ぶりを発揮した。

 その上で「NBAに入ってからが大事。チームに貢献したい。どのチームになるか分からないが、プレーオフに行ってプレーしたい」と力を込めた。1年目の目標は、東西カンファレンスから各8チームが進出してトーナメント方式でチャンピオンを決定するプレーオフ出場。「何か変わるわけでもないし、特に変えることもない。今までやってきた通り、子供たちにいい影響を与えられる選手になりたい」と続けた。

 3年生だった今季はゴンザガ大の全米大学選手権8強入りに貢献し、卒業を待たずにドラフト対象となる「アーリーエントリー」制度を申請。「NBAドラフト・ドット・ネット」「スポーツ・イラストレーテッド」はティンバーウルブズの11位指名、「ESPN」「USAトゥデー」はホーネッツの12位指名、「ワシントンポスト」はヒートの13位指名と予想。米メディアの予想は1巡目の11~13位に多くが集まっている。

 八村は日本の報道陣に対応後、海外メディアに流ちょうな英語で応じた。会見後には他の上位指名候補選手とともに地域の子供にバスケットボールを教えるなどの社会奉仕活動にも参加。ドラフト当日は、トップ選手だけが招待される会場の「グリーンルーム」で指名を待つ。「その中に選ばれたのは、凄くうれしい。ちゃんとプレータイムをもらってチームに貢献できればいいなと思う」。間もなく、1巡目指名の栄誉とともに世界最高峰リーグの扉が開く。

 ▽NBA 北米で展開する世界最高峰のプロバスケットボールリーグ。1946年設立。現在は30チーム(米国29、カナダ1)。10月に開幕し、翌年4月までレギュラーシーズン82試合を戦う。東西各地区の上位8チームでプレーオフを行い、東西の王者同士がファイナルを戦う。今季はラプターズがプレーオフ・ファイナルで3連覇を狙ったウォリアーズを4勝2敗で下し、カナダ勢として初のリーグ優勝を飾った。

 ▽NBAドラフト 米国でプレーする選手のほか、海外でプレーする選手もプロ、アマを問わず指名対象となる。ドラフト会議開催年に19歳以上になることが条件。現在は30球団で2巡目までの計60人が指名される。有力選手とのトレードで指名権が他球団に移ることもあり、今年はセルティックスとホークスが3つの1巡目指名権を持っている。指名順はレギュラーシーズンの成績下位14チームによる抽選で決まり15番目以降の指名はプレーオフ進出チームが勝率の低い順に行う。今年は抽選でペリカンズが1番目の指名権を獲得した。日本選手では社会人で活躍した岡山恭崇氏が1981年にウォリアーズから8巡目で指名されたが入団しなかった。

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