芳田、リオ金討ちV “野獣”後継者名乗り「私もそういう存在に」

[ 2019年2月24日 05:30 ]

柔道グランドスラム(GS)デュッセルドルフ大会第1日 ( 2019年2月22日    ドイツ )

女子57キロ級決勝でリオ五輪金メダリストのシルバ(右)を撃破した芳田
Photo By 共同

 男女計5階級が行われ、女子57キロ級で昨年の世界選手権覇者の芳田司(23=コマツ)が、決勝で16年リオデジャネイロ五輪金メダルのラファエラ・シルバ(ブラジル)に優勢勝ちして優勝を飾った。男子66キロ級の丸山城志郎(25=ミキハウス)も優勝するなど、日本勢は4階級を制した。今大会は世界選手権東京大会(8〜9月)代表選考会の一つとなっている。

 女子57キロ級の芳田は抜群の安定感を見せた。決勝ではリオデジャネイロ五輪覇者のシルバを倒して優勝。「少しホッとした」。昨年に初めて世界一に輝き、追われる立場になったからこそ感じる重圧も乗り越えた。

 初戦の2回戦からは3試合連続一本勝ちで滑り出した。準決勝ではリーチの長い地元のドイツ選手に対して積極的に仕掛け、内股で技ありを奪って優勢勝ち。シルバ戦も「やりやすいというか、波のある選手というのは知っていた」と臨み、引き込み返しのように相手を転がす。技ありから難なく逃げ切った。

 所属するコマツの現地法人から、21日に60個のおにぎりが差し入れられたという。「梅、サケ、昆布。みんなに配ったら大喜び」。芳田はこの日、朝から試合の合間を含めて7個のおにぎりを頬張って5試合を闘い抜き「ちょっと食べ過ぎた」と笑った。

 57キロ級はロンドン五輪金メダルで“野獣”と呼ばれた松本薫さんが引退。23歳のホープは「メンタルから全てにおいて強い。私もそういう存在になりたい」と目標に掲げる。偉大な先輩の背中を追い、今年の世界選手権、来年の東京五輪へと続く道を力強く歩む。

 ◆芳田 司(よしだ・つかさ)1995年(平7)10月5日生まれ、京都市出身の23歳。両親の勧めで小2から円心道場で柔道を始める。中学3年間は神奈川の相武館吉田道場に入門。福岡・敬愛高から14年4月にコマツに入社。同年11月の講道館杯でシニア大会初V。昨年の世界選手権では15年の松本薫以来、日本勢として3年ぶりに女子57キロ級制覇。得意技は内股。1メートル56。

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2019年2月24日のニュース