エリマコ 日本人女子ペア初の全仏準V、ノーシードから快挙

[ 2018年6月11日 05:30 ]

テニス 全仏オープン最終日 ( 2018年6月10日    パリ・ローランギャロス )

女子ダブルスで準優勝し、笑顔の穂積(左)、二宮組
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 女子ダブルス決勝で穂積絵莉(24)、二宮真琴(24=ともに橋本総業)組は、第6シードのバルボラ・クレイチコバ(22)カテリナ・シニアコバ(22=ともにチェコ)組に3―6、3―6で敗れ、日本人ペアとして同種目初の4大大会制覇を逃した。それでもノーシードから勝ち上がり、準優勝の賞金28万ユーロ(約3600万円)を獲得した。男子シングルス決勝はラファエル・ナダル(32=スペイン)が2年連続11度目の優勝を飾った。

 すぐそこに優勝トロフィーが見えるのに、自分たちの手に収まったのは準優勝のシルバープレートだった。二宮は「トロフィーにチューしたかった」と悔しがり、穂積は急きょ応援に駆けつけた母・盛子さん(52)のいる家族席を見て「頑張って涙をこらえた」とあと一歩だった思いをかみしめた。

 初めてのセンターコートで、初めての4大大会決勝戦。第1ゲームでブレークに成功したが、それが最初で最後だった。「思ったより相手のストロークやプレーのリズムが遅かった」(穂積)と準決勝までと比べるとミスが目立った。

 これまで絶大な威力を発揮してきたロブショットも、クレイチコバのスピン量の多いショットの前に精度が落ちた。陣形やロブショットなど臨機応変に使い分ける相手に、自分たちの望む速いペースを封じられ「やりにくかった」と口をそろえた。穂積は5度のサービスゲームで4度ブレークされ、二宮にもボレーのミスがあった。第2セットは一度もブレークのチャンスをつかめなかった。

 それでもシングルス172位の穂積と530位の二宮で日本女子ペア初の決勝進出を成し遂げたのは大きい。二宮は東京五輪でのメダル獲得も見据え、今後はダブルスに軸足を置くことを決断。「大会前から考えていたが決勝まで来られて確信に変わった」と語った。穂積も「本当に勝てない相手はいないと心底思った。4大大会優勝のチャンスはある」と言った。その言葉を現実にする日は、いつ訪れてもおかしくない。

 ◆穂積 絵莉(ほづみ・えり)1994年(平6)2月17日生まれ、神奈川県平塚市出身の24歳。8歳から茅ケ崎のパームインターナショナルアカデミーで本格的にテニスを始める。15歳から杉山愛さんの母・芙沙子さんに師事し、17歳でプロ転向。今年3月からは杉山さんをコーチに迎える。16年に加藤未唯とのペアでツアー初優勝。17年全豪では同ペアで4強。ランキング最高位は単144位、複29位。1メートル68、60キロ。

 ◆二宮 真琴(にのみや・まこと)1994年(平6)5月28日生まれ、広島市出身の24歳。6歳からテニスを始め、18歳でプロ転向。16年9月のジャパン女子オープンで青山修子と組んでツアー初優勝。昨年のウィンブルドンではボラコバ(チェコ)と4強入りした。同大会では球団グッズの髪留めを使用したカープ女子。昨年10月にマツダスタジアムで始球式を行った。ランキング最高位は単280位、複35位。1メートル57、53キロ。

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2018年6月11日のニュース