三宅宏実、スノボ日本勢に勇気もらった 屋外競技の準備、駆け引きに生きる経験値

[ 2018年2月13日 10:30 ]

平昌冬季五輪 スノーボード・スロープスタイル女子決勝 ( 2018年2月12日 )

女子スロープスタイル決勝を終え、笑顔の(左から)鬼塚、岩渕、広野、藤森
Photo By 共同

 【メダリストは見た】 重量挙げ・三宅宏実

 実はじっくりと冬季五輪の競技を見たことはありませんでした。いつもはトレーニングの最中にチラチラッと見る程度だったのですが、女子スロープスタイル決勝を1試合観戦して、技の凄さに驚いたり日本チームを純粋に応援したり、他国選手の強さに圧倒されたりと、とても面白く競技自体にも興味を持ちました。メダルを期待された鬼塚雅選手をはじめとした日本選手の結果は残念でしたが、強風が吹き荒れる場面もあったにもかかわらず、勇敢にジャンプ台に立ち向かっていく勇姿は格好いいと思いましたし、勇気をもらえました。

 女子スロープスタイルは初日の予選が中止となって、決勝の一発勝負ということになりました。決勝も約1時間開始が遅れるなど選手にとってはメンタルの持っていき方も難しかったと思います。私は重量挙げという室内競技なので天候の影響はありませんし、時間がこれほどずれるということもありません。強いて挙げるとすれば、シャフトが日本製か外国製かといったところです。

 待ち時間も長く、メンタルの維持も難しい。風が結果に非常に影響したこの日。そういう状況の中では経験値が生きたと思います。重量挙げは開始時間はきっちり決まっていてそこに時間を合わせるだけですが、試合の中では駆け引きの中で待たされることもあります。想定外のことがあると思っておかないと体が反応できない。その点では準備、場数が必要になってきます。

 経験という意味で同年代の藤森由香選手(31=アルビレックス新潟)にも注目して見ていました。藤森選手は1本目をしっかり決めたのが大きかったと思います。2本目は尻もちをついてしまいましたが、1本目をきっちり決めて63・73点。日本勢最高の9位と健闘してくれました。スノーボードクロスからスロープスタイルに転向したということで、この年代で種目を変える勇気や頑張っている姿に、私も頑張ろうと思いました。

 1本目が大事なのは重量挙げも同じです。試技の回数は重量挙げの方が多いですが、1本目にしっかりと決めて記録を残しておかないと後々の戦略に影響が出ます。そういった意味では、優勝した米国のジェイミー・アンダーソン選手は1本目に83・00点を出して最後は余裕の滑りを見せるなど圧巻でした。

 私は冬季五輪が始まると夏の五輪まで「いよいよだな、あと2年だな」とスイッチが入ります。今回、日本選手には立ち向かっていく勇姿を見せてくれてありがとうと言いたいです。1本目も2本目も果敢に挑戦して自分の構成したプログラムをやりきってくれた。そういったところを見ることができて凄く勉強になりました。まだビッグエアも残っているので応援していきます。私も20年に向けて頑張っていきたいと思います。

続きを表示

この記事のフォト

2018年2月13日のニュース