ステンソン初V ミケルソンとの歴史的名勝負制した

[ 2016年7月19日 05:30 ]

優勝トロフィーを掲げるヘンリク・ステンソン

米男子ゴルフツアー 第145回全英オープン最終日

(7月17日 英国トルーン ロイヤルトルーンGC=7190ヤード、パー71)
 単独首位から出たヘンリク・ステンソン(40=スウェーデン)が10バーディー、2ボギーの63をマークし、通算20アンダー、264でメジャー初優勝を飾った。スウェーデン勢のメジャー大会優勝は初。通算20アンダーもメジャーでの最多アンダーパー記録を更新。1打差の2位から出たフィル・ミケルソン(46=米国)は65で回ったものの優勝はならなかった。日本勢は池田勇太(30=日清食品)が通算13オーバーの72位、市原弘大(34=フリー)が通算18オーバーの79位だった。

 最終18番。6メートルのバーディーパットがカップの右側から入ると、ステンソンは力強く両手を握った。アイスマンと呼ばれる男の表情がやっと緩みミケルソンと健闘を称え合う。「自分のプレーに誇りを持っている」と誇らしげに勝者の証であるクラレット・ジャグを掲げた。

 13年大会でもミケルソンと頂点を争い、3打差で敗れた。因縁の敵との最終日最終組。「今回勝つのは自分だ」と心に誓った。1打リードでスタートしたが、1番で2メートルのパーパットを外し、バーディーとしたミケルソンにかわされた。それでも、すぐさま2番で3メートルを沈めて追い付き、4番までを3連続バーディーとして首位を保った。息詰まるマッチレース。しかし、勝利への執念はライバルを上回った。終盤は14番で6メートル、15番で15メートル、16番は1メートルを沈めて圧巻の3連続バーディー。勝負を決定づけた。

 開幕前日に親友ががんで亡くなったという。キャップに喪章を着けてプレーし、「彼と一緒に戦った。この勝利を彼にささげる」と万感の表情だ。ショットの精度は世界屈指。今大会もパーオン率は4日間で77・8%とトップで抜群の安定感を見せた。メジャー最終戦の全米プロ(28日開幕)、そして、リオ五輪(8月11日開幕)に向けて何よりの弾みとなった。

 ◆ヘンリク・ステンソン 1976年4月5日生まれ、スウェーデン・イエーテボリ出身の40歳。11歳からゴルフを始め、99年にプロ転向。00年には欧州ツアーの下部に当たるチャレンジツアーで3勝を挙げて賞金王に輝き、06年からは米ツアーにも参戦。1Wに不安があり、ティーショットには主に3Wを使用するが、その平均飛距離は300ヤード。家族はエマ夫人と子供3人。1メートル88、90キロ。

続きを表示

2016年7月19日のニュース