美誠、リオ団体銀以上へ 決勝まで中国回避大作戦

[ 2016年5月3日 06:30 ]

川勝県知事から顕彰状を授与され笑顔の伊藤(右から2人目)。右は母・美乃りさん、左は水谷隼の母・万記子さん

 メダル獲りへの秘策だ。卓球の女子日本代表・村上恭和監督(58)が今後のワールドツアーで伊藤美誠(15=スターツ)をダブルスに起用せず、21歳以下の試合に出場させるプランを検討していることが2日、分かった。下のカテゴリーで五輪直前まで勝利ポイントを稼ぎ、リオデジャネイロ五輪の団体戦で第2シードを確保することに全力を注ぐ構えだ。

 村上監督は「伊藤を21歳以下の試合に出すことを検討しています」と明かした。ワールドツアーでは単複のほかに21歳以下の試合も同時に開催。15歳という年齢を生かし、伊藤は格下のカテゴリーに参戦させ、そこで五輪チームランキングの基になる勝利ポイントを稼ぐ狙いだ。

 メダルを確かなものにするためには、同2位になってV候補の同1位・中国と決勝まで当たらないブロックに入ることが望ましい。銀メダルだったロンドン五輪は同2位で本番に入った。今回も4月の時点で日本は五輪ランク2位につけているが、五輪に出場する選手のみでポイントを計算すれば実質3位。実はドイツに2位を譲っている。

 当初、伊藤にはシングルスと並行してダブルスに出し、福原や石川とのコンビの精度を高める計画だった。しかし、既に伊藤は福原と組んだカタールオープンは準優勝。石川と組んだポーランドオープンでも4強入り。リオで戦えるメドが立った。この日、静岡県庁での表彰式に出席した伊藤は「ダブルスと21歳以下のどちらにも出られるようにしたい」と意気込んだ。高校1年生が2大会連続の団体戦メダルのカギを握っている。 

 ▽五輪チームランキング 五輪団体戦に出場する3選手による仮想団体戦(シングルス4試合、ダブルス1試合)を行い、全て勝利ポイントが上の選手が勝利したと仮定して計算する。4月発表では、五輪メンバーではない中畑夏海が1月に大きく勝利ポイントを稼いだため日本勢3人目の選手として計算されており、伊藤で計算をするとドイツより下の3位になる。1位は中国。また、勝利ポイントは、21歳以下の試合も一般の試合と同じウエートで得点が加算される。女子は21歳以下にも、勝利ポイントが上位の選手がいるため勝ち上がることを条件に、出場するメリットがある。一方、格下の選手に負けるとポイントが減算されるリスクがある。

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2016年5月3日のニュース