エディーJ、サモア撃破だ!“キーマン”稲垣、8強へ押す!

[ 2015年10月3日 05:30 ]

笑顔でウオーミングアップする稲垣(中)

ラグビーW杯イングランド大会 日本―サモア

(10月3日 ミルトンキーンズ)
 日本代表は3日(日本時間同日午後10時30分開始)のサモアとの1次リーグ第3戦(ミルトンキーンズ)に向け、2日に本番会場で最終調整を行った。過去3勝11敗の相手に対し、エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC=55)がセットピースの完全制圧を勝利の条件に掲げる中、プロップ稲垣啓太(25=パナソニック)がスクラムでの圧倒を宣言。体重140キロとも言われる相手3番に対峙(たいじ)する若き1番が、準々決勝進出へのキーマンとなる。

 特大級の相手にも一歩も退かない。勝敗の鍵を握るスクラムで、相手FWのキーマンと向かい合う稲垣は「相手は体重があるので、それにどう対応するか。140キロくらいあるらしいですけどね。前3人だけではなく、(ロックを含めた)5人で押せるようにしたい」と対抗策を明かした。

 サモアの3番ジョンストンは通算53キャップを有する34歳のベテラン。W杯には過去2大会に出場し、現在もトップ14(フランスのプロリーグ)のトゥールーズで活躍する。今年4月に一度は代表引退を表明したが、同ポジションに故障者が出たため、追加で招集されたという経緯がある。

 ただ、サモアは南アフリカやスコットランドに比べればスクラムにまとまりがない。「相手は重いが一貫性はない。耐えればフッと前に出られる瞬間がある」と稲垣は自信を見せる。元フランス代表のマルク・ダルマゾ・コーチの下、血ヘドが出るような練習を積んできた。個人としても今年はレベルズでスーパーラグビー(SR)に初参戦。公式戦は1試合にとどまったが体重は5キロ以上増え125キロ(登録は115キロ)ほどにボリュームアップ。その原点は関東学院大時代にある。

 主将に就いた12年春、春口広監督(当時)から他の学生幹部3人とともに呼び出された。「おまえら、寮のご飯が出るありがたみを知れ」と言われ部員約100人分の食事作りを命じられた。「ずんどう鍋でマーボー豆腐をかき混ぜたり、カレーを作ったり。最後は“もう無理です”と言いましたね」。それでも朝晩2週間続けての食事作りで、栄養管理など多くを学んだ。SR参戦中は練習で疲労困ぱいでも自炊を怠らず、トレーニングの成果を肉とし骨とした。

 ジョーンズHCが「最も強いメンバーを構成できた」と言う15人に、キャップ数では上回る三上を押しのけて背負う1番。その栄誉を胸に、押して押して押しまくる。

続きを表示

2015年10月3日のニュース