真央 さあ553日ぶり実戦!アクセル全開「蝶々夫人」舞う

[ 2015年10月3日 05:30 ]

ジャパン・オープンの前日練習で佐藤信夫コーチ(左)と話す浅田真央

 1年の休養を経て現役続行を決断したフィギュアスケート女子の浅田真央(25=中京大)が3日、ジャパン・オープン(さいたまスーパーアリーナ)で競技会に復帰する。2日は会場での公式練習に参加し、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は3回挑戦して全て成功。優勝した14年3月の世界選手権以来、553日ぶりに立つ勝負のリンクで、変わらぬ実力を見せつける。

 45分間の公式練習が、浅田のコンディションを雄弁に物語っていた。トリプルアクセルは、3度挑んで全てクリーンに成功。ブランクの影響どころか、進化すら感じさせる内容だ。「楽に跳べるようになった。何を変えたとかじゃないけど、いい感じで自分のスポットに入っている。ソチ五輪のシーズンより、いいアクセルが跳べているんじゃないかな」。柔らかな笑みが、自信の表れだった。

 休養前は公式練習で10回以上跳ぶこともあった大技だが、この日はわずか3回のアタックで十分。「トリプルアクセルはもう、特別なジャンプと捉えることなく来ていると思う。それだけ自分の中にアクセルがちゃんとある」。復帰を見据えて5月から本格的に練習を再開。大技が決まらないこともあったが、8月のアイスショーを終えると成功率が上がった。「力の入れ具合がうまくコントロールできている」と自己分析する。

 5歳でスケートを始めてから走り続けてきた浅田が昨季、初めて休養した。揺れる日々を過ごし、現役続行を決断。5月の復帰会見では「以前のレベルに持っていかないと」と話していたが、今大会はトリプルアクセル、3―3回転など優勝した14年3月の世界選手権と同じ構成に。「そのレベルに戻ってます」。18年平昌五輪については「今はあまり考えていない」としたが、高いレベルを保てば夢舞台が自然と見えてくるはずだ。

 フリーのみで争う今大会は「蝶々夫人」で舞う。衣装には自らの思いも込めた。「着物をイメージした衣装です。着物らしく作りたいというのはすごくあった」。14年3月の世界選手権と同じ会場で、同選手権以来553日ぶりに勝負のリンクに立つ。「自分に集中して、いいイメージのある会場で、いいイメージで臨みたい」。浅田のスケート人生の第2幕が、いよいよスタートする。

 ▽ジャパン・オープン 国際連盟(ISU)公認の国際大会。97~01年はプロ、アマ混成の個人戦で行われた。再開した06年に日本、欧州、北米が争う団体戦になり、各チーム男女2人ずつがフリーを滑る。

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