冨田選手、通訳なしで公判 内容理解できず

[ 2015年2月2日 17:27 ]

 昨年9月に韓国・仁川アジア大会でカメラを盗んだとして窃盗罪で略式起訴され、後に無実だとして正式裁判を求めた競泳の冨田尚弥選手(25)の公判が2日、仁川地裁で開かれた。法廷通訳人が出席せず、韓国語が分からない冨田選手が内容を理解できないまま審理が行われた。

 弁護人の黄文錫弁護士が、自分が通訳も兼ねるとして審理の続行に同意したが、証拠採用をめぐる同弁護士と検察との応酬や裁判官による訴訟指揮の説明は廷内で冨田選手に伝えられず、被告人の権利保護が十分だったか疑問だ。

 検察は同日までに、犯行現場の監視カメラの映像を冨田選手側に開示したが、同選手側は「映像は不鮮明で本人かどうか分からず、編集でカットされている部分もある」として証拠採用に反対し、元の映像を示すよう求めた。検察は元の映像を証拠申請すると表明。裁判所は捜査した警察官らを証人として尋問することを決めた。

 冨田選手は公判後、記者団に、事前に見た映像は「僕が写っているのかいないのかも分からない」と述べ、窃盗の証拠にはならないと主張した。

 通訳の不在について裁判所は「通訳人が公判期日を錯覚し来なかった」と弁明した。(共同)

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2015年2月2日のニュース