マキロイ完全優勝!グランドスラム王手で“神の領域”へ

[ 2014年7月22日 05:30 ]

<全英オープン最終日>17アンダーで優勝を決め、トロフィーにキスをするマキロイ

USPGAツアー第143回全英オープン最終日

(7月20日 英国ホイレーク ロイヤルリバプールGC=7312ヤード、パー72)
 ロリー・マキロイ(25=英国)がグランドスラムに王手をかけた。4バーディー、3ボギーの71で回り、通算17アンダー、271で4日間首位を守る完全優勝。25歳でのメジャー3大会制覇は23歳だったジャック・ニクラウス、24歳でのタイガー・ウッズ(ともに米国)に次ぐ年少記録となった。リッキー・ファウラー(25=米国)とセルヒオ・ガルシア(34=スペイン)が2打差の2位。松山英樹(22=LEXUS)は71と伸ばしきれず、67の小田孔明(36=フリー)と並んで通算1アンダーの39位だった。

 18番パー5。観衆の拍手に迎えられ、マキロイはゆっくりとフェアウエーを歩いた。グリーン右手前のバンカーからの3打目のアプローチはピンをかすめて奥4メートルへ。バーディーパットは外したが、最後は50センチのウイニングパットを沈め、笑みを浮かべながら静かに右手を握りしめた。同組のファウラーと健闘を称え合うと、歩み寄ってきた母ロージーさんと抱き合った。

 「信じられないよ。最高の気分。全英オープンに勝つことを子供のころから夢見てきたから」

 2位に6打差をつけて迎えた最終日。1番でバーディー発進も、5、6番で2連続ボギーを喫した。1つ前の組で回っていたガルシアが10番でイーグルを奪い2打差まで詰め寄られたが、9番でバーディーを奪うなど要所を締めた。

 1メートル75、73キロと小柄だが、パワーは抜群だ。今回も4日間のドライビングディスタンスの平均は327・8ヤードで1位。併せて平均パット数は1・53で全体4位と、圧倒的な飛距離と小技がかみ合った。

 22歳で全米オープン、23歳で全米プロを制し、昨季は世界ランキング1位として迎えた。しかし、ナイキと新たに契約を結んだものの、なじむのに時間がかかり未勝利に終わった。今年5月には女子テニス選手のウォズニアッキとの婚約を解消した。公私共に壁を乗り越えてつかんだ栄冠だった。

 25歳2カ月でのメジャー3勝達成はジャック・ニクラウスの23歳6カ月、タイガー・ウッズの24歳5カ月に次ぐ年少記録。そして、過去5人しかいないメジャー4大大会制覇に王手をかけた。「来年4月のマスターズで達成できたら最高だね。でも、そうなる可能性は十分あるよ」。地元・英国で伝説の領域へと近づいた男は悠然と語った。

 ◆ロリー・マキロイ 1989年5月4日、英国(北アイルランド)のベルファスト郊外のハリウッド生まれの25歳。2歳で40ヤードのショットを打ったという逸話を持つ。7歳でハリウッドGCの最年少メンバーとなり17歳でプロ転向。12年は米欧両ツアーで賞金王に輝いた。メジャーを除くと、両ツアーで通算4勝ずつを挙げている。16年のリオデジャネイロ五輪にはアイルランド代表で出場すると表明。1メートル75、73キロ。

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