クビトバ55分料理で美酒 新鋭ブシャールを圧倒

[ 2014年7月6日 05:30 ]

3年ぶり2度目の優勝を飾ったクビトバ(AP)

ウィンブルドン選手権第12日

(7月5日 英ロンドン・オールイングランド・クラブ)
 女子シングルス決勝で第6シードのペトラ・クビトバ(24=チェコ)が3年ぶり2度目の優勝を飾った。4大大会初の決勝進出を果たした第13シードのウージニー・ブシャール(20=カナダ)に6―3、6―0で完勝。4大大会初の決勝進出だったホープを経験の差で圧倒し、わずか55分で退けた。6日の男子シングルス決勝では、3年ぶりの優勝を目指す第1シードのノバク・ジョコビッチ(27=セルビア)と史上最多8度目の優勝を狙うロジャー・フェデラー(32=スイス)が激突する。

 1メートル82の大型サウスポーは両手を広げ、芝の上に仰向けになった。最後はこの日何度もポイントを奪ったバックハンドのクロス。「またここに戻ってこられてうれしい」。3年前に頂点に立ったクビトバが、一回り強くなって女王に返り咲いた。

 4大大会で初めて90年代生まれ同士の決勝だった。「私も経験があるけど、初めての決勝というのは苦労するもの」。年齢以上にこの舞台での経験の差が勝者と敗者を分けた。第1セットから高速サーブと巧みなリターンで優位に立ったクビトバは、第2セットは6ゲーム連取の完璧な試合運び。快進撃を見せてきたブシャールのテニスを見事に封じ込めた。

 過去2年は8強止まりだったが「敗北から多くを学び、自己改革した」とメンタルコーチを雇い、周囲の期待や重圧をコントロールするすべも学んだ。憧れの存在でもある母国の先輩ナブラチロワさんが見守る前での優勝。「この3年間は浮き沈みが激しかった。多くの人にもっと期待されていることは分かっていた」。苦しんだ経験と周囲の期待を背負う覚悟が、クビトバを再び頂点に導いた。

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2014年7月6日のニュース