倉本がPGA会長選出馬 JGTOとの合併公約、引退も宣言

[ 2014年2月11日 05:30 ]

会見に臨んだ(左から)森静雄会長、阿部信行副会長、倉本昌弘 

 日本プロゴルフ協会(PGA)の次期会長選に、永久シード選手の倉本昌弘(58)が立候補した。また、PGA幹部の黒い交際問題の責任を取り辞任した森静雄前会長(60)も立候補し、10日に都内で行われた理事会で承認された。新会長は24日の総会で93人の代議員の投票で選任される。倉本は公約の目玉として日本ゴルフツアー機構(JGTO)との合併を掲げた。

 会長に立候補した倉本は決断に至った理由を「PGAの危機。いろんな改革をしなければならないが、それをできるのは私」と力強く語った。そして「二足のわらじを履くつもりはない。競技を辞める決断をするのは難しかった」と事実上の引退を宣言。PGAが主催するシニアツアーについても「私が出ることで営業になるなら出るが、そうでないなら出ない」との覚悟を示した。

 PGAは昨年、元副会長と元理事が在職中に暴力団関係者とゴルフをするなど黒い交際が発覚。12月31日に森会長を含む理事と外部理事、代議員が総辞職したが、PGA内には改革が進まなければ公益社団法人の認定を取り消されるとの危機感もあり「組織の制度改革をやっていきたい」と先頭に立って改革を進める考えを示した。

 その公約の目玉が「JGTOをPGAの傘下に置くという方向性が私の中にある」というJGTOとの統合案だ。倉本は90年代の男子ツアーの選手会長時代に、効率的なツアー運営を図るためJGTOの立ち上げに尽力。しかし、その後男子ツアーは景気の影響や石川遼、松山英樹ら、スター選手の海外流出で人気が低迷しスポンサー離れが深刻な状況となっている。PGAはプロのライセンスやシニアツアーを管轄する一方、約5000人の会員を抱えるなど組織の母体が強固。JGTOの持つ“ソフト”とPGAの“組織”が合併すれば大きな相乗効果が期待できるため「JGTOの海老沢会長とも話し合いはしている」と行動派の会長候補は、既に水面下で動いていることも明かしていた。

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2014年2月11日のニュース